旅立ちー別れー
- カテゴリ:自作小説
- 2024/04/09 11:57:59
「おはよう」という言葉が消え、そして「おやすみ」という言葉も消えた。 それが初めて気になったのは、一人きりでいた時だった。感謝の気持ちが薄れ、代わりに無言の『うん』が増えていく。確信を持って伝えていた言葉が少なくなり、その代わりに曖昧な表現が増えていった。 「ありがとう」という言葉が少なくなると、どこか孤独を感じ始めた。謝罪の言葉も少なくなり、ただすれ違うだけの日々が続いた。 そして、ある日、「いつもごめんね。これからもよろしく!」という言葉が、「今までありがとう。さよなら」という言葉に変わってしまった。その時、心には寂しさが募った。 自分自身を素直に生きたいと願う。時には振り返ったり、うつむいたりすることもあるけれど、後悔の念はなるべく残したくない。成長を重ねる中で、隣にはお互いを助け合い、ともに成長させてくれる人がいればいいなと思う。 笑うことは、楽しんでいる証し。怒ることは、真剣に向き合っている証し。けんかすることは、一緒に何かを大切にしていた証し。つまずくことは、前進していた証し。信じていたことが裏切られることは、信じる心の証し。失恋することは、愛していたことの証し。 「疲れた」と感じることは、頑張った証し。失敗することは、挑戦した証し。そして、「もうやめようかな」と思うことは、まだ希望を捨てずにいる証しでもある。 素直になれない自分を受け入れることは、それだけ愛しているという証し。時には「もういい」と言いたくなることもあるが、それは全くよくないという証し。 人は「大丈夫」と言っても、本当は全く大丈夫ではないこともある。笑顔でいる人には、何か過去にあったはずだ。そして、よく笑う人は、よく泣いた人でもある。 幸せな人は、つらさを経験したからこそ、優しくなれる。強くなれる。努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る。 自分が泣きたいと感じた時には、泣くことを許してあげる。つらい時には、支えを求めてもいい。 立ち止まることは悪いことではない。つらい時、苦しい時は、少し休憩してからまた歩き出せばいい。そして、明日が笑えるかどうかよりも、少しでも笑ってみることを心がける方が、そのつらさも少しは軽く感じられるだろう。 人生は続いていく。そして、私たちは成長し、変わっていく。その中で、自分自身と向き合いながら、周りの人とも深く向き合っていきたい。
人の気持ちは川の流れと同じく移ろいやすい。
そしてすべてのことには意味があることを表現してみました。
今回も素晴らしいお話、読ませていただきました。
Loughcatさんの飾らないお気持ちでしょうか。
目から鱗な感覚も覚えました。