Nicotto Town



ネタばれ読書日 シェトランド諸島シリーズ

評価★3
1,大鴉の啼く冬
2,白夜に惑う夏
3,野兎を悼む春
4,青雷の光る秋
5,水の葬送
6,空の幻像  
 実在するイギリス最北端の諸島を舞台に事件に執念深く立ち向かうペレス警部と狭いコミュニティのあれこれが描かれる。時間の流れはよくわからないけど1年に2回のペースで凶悪殺人事件が起こってるようなww。事件は主人公の執念で追い詰められた犯人が本性を現すという感じ。
キャラクターの生い立ちから現在までの人生が事細かに書かれているのに感心。ペレス警部なんてスペインに起源をもつ<黒いシェトランド人>という他のシェトランド人と毛色が違うという思わせぶりな設定。(かつてスペイン無敵艦隊はイギリス北方で嵐により難破、助かった船員は住民たちに虐殺されたという歴史がある。)
田舎の悪い部分も書いていて公然の話なのに話題の中心の人間だけ何も知らされてないとか(夫の婚前からの恋人とか、妻の不倫とか、)。こんな秘密を知って、身内や幼馴染が犯人とかその後同じ土地で生活していけるのかと、事件の真相はあまりすっきりしない。ちょっと嫌ミス。
 5→6→1→2→3→4 の順番で読みました。1~4までシェトランド四重奏という構成で人気が出たのか続きが発売されたみたい。

あらすじ 『大鴉の啼く冬』
シェトランド地元民の夫と離婚したものの娘の養育のため定住を決めたフランは雪原に絞殺された女子高生の死体を発見する。住民たちはすぐに近くに住む知的障害のある老人、マグナスを疑った。8年前に子供好きのマグナスと仲の良かった少女が行方不明になっていたからだ。
物語は4人の人間の視点から展開する。
ペレス警部は地道な聞き込みによりキャサリンの事情を暴き、マグナスを犯人にしようとする警察本部をけん制する。
マグナスの思考は過去と現在を行き来する。幼くして死んだ妹のアグネス、8年前に仲の良かったカトリオナ、新年の夜に友人とともにマグナスを訪れたキャサリン、そして死んだ老母はいまだに〈何も話すんじゃない〉とマグナスを縛り付けていた。
フランは男やもめのキャサリンの父親を心配する。フラン同様に娘の環境のためとシェトランドに移住してきたにもかかわらずキャサリンの父親は娘のことを何も知らなかった。
親友サリーはキャサリンの不在に開放感を覚え己の恋に積極的になろうとする。
不運な偶然でフランは崩れた泥炭の中から露出したカトリオナの死体を発見してしまう。泥炭により完全な状態で保存されていた死体の死因は刺殺、ペレスの説得によりマグナスはようやくカトリオナの事件の真相を話す。8年前、マグナスの家に遊びに来たカトリオナはマグナスの妹の遺品を奪い、当時健在だったマグナスの老母を激怒させた。老母はハサミで少女の胸を一突きし、事件の隠ぺいを息子に命じた。その後、マグナスはカトリオナ失踪の容疑者となり、老母は息子の無実を信じる悲劇の母親を演じ続けたのだ。
一方、ペレスの捜査とサリーの回想により傲慢で攻撃的なキャサリンの姿が浮かび上がる。映像監督を志していたキャサリンは映像により田舎の暗部をあぶり出し、多くの人々を嘲笑する作品を作成していた。マグナスに近づいたのも自分の作品のネタのためだった。そしてキャサリンは多くの男の心を弄び、彼らが告白してキャサリンが振る様子を隠し撮りしていた。
1月最後の晩に行われる火祭りアップへリーアーの最中、事件の一端を目撃していたフランの娘キャシーが行方不明になる。ペレスはサリーのボーイフレンドの車のトランクから縛られたキャシーを救い出した。
キャサリンを殺し、キャシーを誘拐したのはサリーだった。家を抜け出した夜、キャサリンはサリーの恋すら嘲笑したため衝動的にサリーはキャサリンの首を絞めたのだ。







月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.