Nicotto Town



戦え‼ぽん家 ぽん太 覚醒(やみおち)する

禁断の間で解呪の儀式を受けていたぽん太は漆黒の炎に包まれていた。

「ぽ、ぽん太~!」
ぽん美はぽん太を助けに行こうとしたがぽん吉が止めた。

「待て!」

「これが待っていられる場合か!ぽん太が!」

「落ち着け。これが解呪の儀式だ。」

「こ、これが?」

「あれは虐げられ、不遇な扱いを受け続けてきたことによって生まれた
負のオーラが炎となったものだ。負のオーラを放出して空いた空間に
聖のオーラが充填される。つまり負のオーラが多いほど得られる力が
大きくなるんだ。」

「じゃ、じゃあ、あの炎を全て出しきれば…」

「覚醒が完了し、全ての力が解放される。」

「だからぽん太を虐げる必要があったのか…」
ぽん吉の説明にぽん美は納得したが、しばらく放置するも一向に炎が
収まる気配はない。

「お、おかしい…いくら何でも長すぎる…」
ぽん吉は焦りだした。
「ま、まさかぽん太の闇がここまで深かったとは。まずい!
このままではぽん太自身が黒炎に焼き尽くされてしまうぞ!」

「な、なんだって?ぽ、ぽん太~!」

あ、熱い…な、何でσ( ̄∇ ̄;)ばかりこんな目に…
課長のバカヤロー!部長の大バカヤロー!本部長、タヒんじまえ~!
ぽん太が日頃から抱えている鬱憤を吐き出したその時、

グルアア~~!
ぽん太を包む黒炎の一部が竜の形となり、雄叫びを上げて
舞い上がった。

黒竜はぽん太の周りを回りながら黒炎を次々と喰らい始め、ぽん太を
包む黒炎を全て喰らい尽くしてしまった。

「な、なんて奴だ。負のオーラで負のオーラを抑え込みやがった!」

黒炎が収まるとそこには腕に黒い竜のような刺青が刻まれたぽん太の
姿があった。

「よ、予定とはちと違うが一応試練は乗り越えたようだな。うん!」
ガンガルフは焦った口調で試練の終了を告げた。

「試練を乗り越えし者よ。さあ、受け取るがよい。これが太古より
守りし大いなる遺産、須秘瑠椪(スピルポン)だ。」

五柱の古代神は霊気となってぽん太に吸い込まれていった。

い、色々あったが何とかなったな…後はこれを渡せば私の使命は
終わる。
「ぽん太よ。お前にこれを託す。」
ぽん吉は封印の解除に使ったクリスタルをぽん太に差し出した。

「これは?」

「シュポンの魂が結晶となったものだ。須秘瑠椪は現世にあっては
ならない禁断の強化装甲だ。ポンデスを倒したらこれを使って再び
禁断の間に封印してくれ。」

「そういえば禁断の間はさっきのところじゃなかったのか?」

「表向きはそうなっているがあれは封印の間。封印を解いて覚醒を
促す場所。ここが本当の禁断の間だ。」

「そうだったのか。ところでこれをどこで?」

「ポンデス城の宝物庫だ。シュポンは様々な強化装甲を生み出したが、
須秘瑠椪はあまりの力の大きさ故に使うことなく封印した。故に
悪用を恐れたシュポンは己の魂を封印の鍵としたが、それが仇と
なったのだ。」

「「仇とは?」」

「ポンデスの出現だ。ポンデスの力は強大過ぎるが故に手持ちの
強化装甲では歯が立たなかったのだ。ポンデスを倒すには須秘瑠椪の
封印を解くしかなかったが封印を解くにはタヒぬ必要があった。だが
その時は須秘瑠椪を託せる戦士がまだ育っていなかったのだ。

悩んだシュポンはやむなく己の命と引き換えにポンデスを封印したため
その魂はポンデス城に留まってしまったのだ。つまりシュポンの魂を
手に入れるにはポンデスの懐に潜り込むしかなかったのだ。だから
先の大戦の時、私は家族を裏切ったふりをしてポンデスに取り入り、
シュポンの魂を手に入れる機会を伺っていたのだ。」

「事情は分かったが、それでも家族をタヒなせてしまったという事実は
覆せんぞ!」
ぽん美は怒りをあらわにしたが

「知ってたさ。ぽみ平以外はな。」

「え?」

「ぽん蔵もぽん奈もぽみ代も家族を裏切ったふりをして私が流した
情報に嵌ったふりをしてタヒんでくれたんだ…‼ポンデスの信頼を
得るためにな‼」
ぽん吉は拳を握りしめ、滂沱の涙を流した。

「絶大な信頼を得た私はその褒美として無事シュポンの魂を手に入れる
ことができた。ポンデスがこれが何かを知らなかったのは幸いだった。
そしてこれをぽみ平に渡そうとしたが、ぽみ平がぱん家の軍勢を
引き連れて攻め入り、封印を張ってしまったのだ。そのため私は
これをぽみ平に渡すことなく寿命が尽きてしまったのだ。

そんな折…ポンデスからタヒの眠りの中にいた私達に誘いがあったのだ。
ぽん家の戦士を生み出す忌々しい禁断の間を破壊できればタヒの世界から
解き放ち、永遠の命を与えるとな。

私達はそれに乗ったふりをしてぽん家に乗り込んで来たのだ。
須秘瑠椪の封印を解き放つためにな。

だが表向きは禁断の間の破壊を目指す先兵でなければならん。
バレてしまえば私達の身は消されてしまうだろうからな。そうなっては
総てが水泡に帰す。

賊の烙印を押されることも厭わず麺麭斗聖拳を使ってまでポンデス軍に
真意を隠したぽん蔵達の心の慟哭がお前達に分かるか…」

「無線で話は聞いた。やはりそういうことだったか。」
タヒんだはずのポンシロウが起き上がった。

「そういうことよ。」

「騙して申し訳なかったですわ。」

ぽん奈とぽみ代も起き上がった。

「ポ、ポンシロウ!タヒんだんじゃなかったのか?」

「椪極輪を使ったんだ。」

「椪極輪って、互いの秘孔を突いて仮タヒ状態になる合図というあれか?
使い所がなさすぎてぽん子Ⅱは覚える気は全くなかったぞ。」

「そうね。ぽん奈も一瞬分からなかったわ。」

「同感ですわ。まさか真面目に覚えてる人がいたなんて…」

「うっ…ううう…」
ぽん吉が苦しげに蹲った。

「どうした?ぽん吉。」

「ポンデスに与えられた命は12時間。どうやら別れの時が来た
ようだ…」

「「ぽん吉‼」」

「わ、私に構うな…お前達はポンデス城に向かうのだ。そ、そして
私達に代わって必ずポンデスを倒してくれ。た、頼むぞ…若きぽん家の
戦士達よ…」
こ、これでもう思い残すことは何もない…さらばだ…
ぽん吉は頽れるとその体はチリとなって消えた。

「「う、うう…!」」

「「ぽん奈伯母さん!ぽみ代叔母さん!」」

「こ、こんな私を…伯母さんと呼んでくれるの…?」

「これで安心して…後を頼みますわ…」

ぽん奈とぽみ代もチリとなって消えた。

「そ、そうだ!ぽん蔵伯父さん!
ご、ごめんなさい…!ごめんなさい…!」
ぽん子Ⅱはぽん蔵を抱きかかえ、涙を流して謝罪した。

「気、気にするな…お、お前達には先達として何も残してやることが
出来なかった。だ、だが…せめて…」
ぽん蔵の体も徐々にチリと化し…

「せめて…」

ぽん蔵もぽん子Ⅱの腕の中でチリとなって消えた。

「わ、分かっている。ぽん子Ⅱ達はせめて…」

「あなた達の魂を引き継ごう…そして忘れない…」

「「この時代に死して尚、正義を守り通そうとした戦士達がいたと
いうことを‼」」
ぽん子Ⅱとポンシロウは決意を新たにした。

ぽみ平はその様子を涙を流しながら見つめていた。
忘れておった…シャドーポーンは仮面を付けなければただの重い鎧に
過ぎんということを…親父の心は悪に染まってはおらんかった!
それどころか重い鎧を着てあれだけの戦いを…

もっと早く気づいていればこんなことには…親父…みんな…許せ…
お前達にはタヒより辛い苦しみを味わわせてしまったようぢゃ…

ぢゃがお前達の苦しみは決してムダにはせん!儂と子供達で必ず
ポンデスを倒して見せる!いつか儂もそっちに行った時はいくらでも
謝ろう。ぢゃからそれまで…さらばぢゃ、みんな…

つづく

アバター
2024/06/08 03:06
コメディの中のちょっぴりシリアス要素はずるい~(´;ω;`)ウゥゥ
アバター
2024/06/04 19:41
ぽん太さんてぽん美ちゃんだけではなく 会社でも虐げられていたんですね~。
いよいよポンデスとの対戦ですか。




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