Nicotto Town



自作の掌編小説 ー『別れ前の夜』

掌編小説 ー『別れ前の夜』

熟年の淑女がベッドに伏せており白い甲冑を着た騎士が彼女を看病していた。

夜の中、庵には火が炊かれ、蝋燭に火が灯っていた。

熟年の淑女は流行り病に毒され高年のせいで体力が無く、すっかり弱り果てていた。

咳き込む女性。

「私はこんなに年をとったのに、あなたは若いまま...」

彼女は呟いた。

「昔も話したけど、僕は大天使の洗礼を受けたから年をあまり取らないらしい。」

彼女はまた咳き込んだ。

「私が死んだらどうか私のことは気にせず新しい伴侶を見つけて。それが私の望み。」

「僕を包み込める女性なんてそうそうそんなにいないよ。」男は呟く。

男の顔は憂鬱だ。

「ちょっと疲れたから休むわ。」

彼女はそう言い眼を閉じて眠りについた。

男は彼女がもう長くないことを直感してた。

男は甲冑を外して、側の椅子に座った。

「また独りになるのか...」

男は首をもたげた。目尻は少し潤おんでいた.,.




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