鰻とは何なのか
- カテゴリ:日記
- 2024/08/03 21:58:58
本日。
父親を実家の近所の眼医者に連れて行くため、実家まで出向きました。家から歩いても15分くらいの場所なので、普段は父が一人で出向いているのですが、白内障の手術のための紹介状をお願いする予定。そういうのはもう父一人ではできないので、同行しました。
結局は、白内障の手術をするだしないだで話が二転三転している間に、その他の問題も表面化して困ったことに。来週もまた連れて行かないとならない様子です。
さて、とりあえず眼医者が終わったのがちょうど12時ごろ。
昼ご飯を食べるということで、近くの鰻屋さんへ。そこは、大井川水系の水で養殖している昔ながらの日本鰻を使った、知っている人は知っているお店。とは言え、一番安い鰻重で3000円くらい。普通のやつで4500円くらい。お高めなやつで6000円くらい。一番高いのが8000円くらい。なので、内容を考えればビックリするような値段ではありません。
さて、待つこと10分か15分くらい。
父と私が頼んだ、4500円くらいの鰻さんが出て参りました。
結論。
とても美味しいです。
そもそもが日本鰻ですから、比較的に小ぶりで、身も薄い。
味自体も淡白で、良くも悪くも普段食べる鰻のような脂っこさはなく、そこに合わせるタレは、やはり味も見た目も薄く優しいもので、かかり具合も薄っすら。米もやや硬めのしっかりとした食感。
なのですが。
そんな鰻を頂いて思ったこと。
日本の鰻の未来は、明るくはなさそうだな、と。。
本物の日本育ちの日本鰻が希少であるが故に高価であることは、これは致し方がない。もちろんそれは安価な中国鰻などで国内市場を荒らしたからと言う話しもありますが、しかし私が感じた日本鰻の未来が明るくなさそうと感じたポイントは、この味では厳しいだろうな、ということ。
日本で、ササニシキ系統の固めであっさりとした食味の米が衰退してしまった理由は、一つは栽培しにくい品種としての弱さです。でも、もう一つ大きな理由は、やはりコシヒカリ系の米に、商品として負けた、ということだと思っています。
しっかりした甘さと、モッチリとした食べ応えのある食感。その華やかで分かりやすいコシヒカリの味に、押しの弱いササニシキの味が負けたということかと思います。
普段、私たちが手軽に口にする鰻は、以前はビカーラ種が大半だったようですが、今はアメリカ原産のロストラータ種を中国で養殖したものが大量に入ってきています。ヨーロッパ原産のアンギラ種はあんまり見ない気がします。
輸入ものは、大きく肉厚で脂が乗った、鰻を喰ったぜ感たっぷりのコッテリした食味。そこに味の濃い甘辛いタレをタップリと塗って焼き上げた鰻は、満足度が高いと思います。でも、それを鰻の基準にしてしまうと、端的に言って、私が今日食べたあの日本鰻の鰻重に対する評価は、こうなるんじゃないでしょうか。
なんか薄っぺらくて小さくて、味も薄くてパサパサした、マズい鰻
いや、本当にそういう評価をされかねないと思います。
スーパーで売っている馬鹿でかい1500円の冷凍パックのロストラータ種と、今日の鰻重を並べて食べ比べたら、相当数がスーパー鰻の方が美味しいと言うだろうという確信があります。
そして、じゃあ自分はどうなのかと言われれば、正直どちらも美味しいという評価です。スーパーの鰻が美味しいかマズいかは、味の絶対的な評価ではなく、なにを切り口にするかです。肉厚で濃い味の鰻が美味しい時だってある。私はスーパー鰻を否定する気は更々ありません。
どちらも、それぞれに美味しい。
そう思います。
ただ、その「どちらも」が欠落し、「大きく肉厚で脂が乗って、味の濃い甘辛いタレをタップリと塗ったコッテリした食味」しか美味しいと思わない、という状況は、やっぱり昔よりも顕著になっているということは、なんとなく感じています。それはやっぱり、寿司屋で寿司と一緒に焼肉とピザとパフェを食べることに何も疑問がない、という風潮とどこかで同源な気もしています。
だからと言って、日本鰻の鰻重をしたり顔で褒め、スーパーの鰻を馬鹿にする輩も、わたしは嫌かな。高級手打ち蕎麦は美味しいかもしれないけど、緑のたぬきだって美味しいじゃん、コンビニのざる蕎麦だって結構食べられるじゃん、って話ですね。
しかしなんですね。
「鰻」って書くと格調高そうですが、「ウナギ」って書くと、なんかいきなり安っぽいですねw なんだろうウナギ犬のせいかなww
兎重も美味しそうですね。
甘辛く。。。
「ウナギ」って看板見たら安っぽい感じがして遠慮しちゃいます
これは面白いw
いや確かに鰻屋の看板に「ウナギ」って書いてあったら、かなり嫌。
「ウナ」っていう気の抜けた発声の後に、「ギ」っていう、ふがっ!、みたいな音が来て、間抜け感が半端ない感じです。しかもカタカナw
食べ物に関しては、割と贅沢に育てられたので(社会人になってからも)、子供にも高いものから安いものまで、ふり幅持たせて食べさせたいなと思っては来ました。
さて、将来はなにか食べさせてもらえるのでしょうか。わたしはたまに親を家に呼んで、一緒にご飯食べるくらいしかしてませんけどね~
不味い鰻の蒲焼を食べた事があります。へんな生臭さと、気になるほどの骨、ゴムのような皮。恩師の奢りだったから食べ切りました。
まだまだ我儘な22歳だった私ですが、何食わぬ顔をして、皆んなと同じように食べなきゃいけないと、頑張りました。吐き出ししまいそうだったの。
それ以降、警戒して、スーパーのウナギや安いチェーン店の鰻は極力食べないように暮らしています。
お父様がお元気なうちに、美味しい物を2人でじゃんじゃん食べたらいいと思うよ~。
(そういう姿を見て、〇十年後もえーんさんの子どもたちが、
もえーんさんを鰻屋さんに連れて行ってくれるかも?)
ちなみに鰻の幼魚のシラスウナギの卸値は、20年前の10倍の価格に跳ね上がっているそうです。5㎝のシラスウナギ一匹が、500円~600円くらいだとか。そこから手暇をかけて育てて出荷すると、一匹お幾ら?ちなみに飲食業の原価は20%前後が基準らしいので、今日わたしが食べた4500円の鰻だと、900円です。600円の稚魚から育てた鰻が、900円で買えるわけがない。4500円でも、かなり頑張っている末端価格なんでしょうね。
そう言えば、10年くらい前だったかな? 都内の有名な鰻屋さんで、国産養殖の日本鰻ということで売っていた鰻重が、実は中国の輸入ものでしたという産地偽装が発覚して、ちょろっと話題になりました。食通ぶったオッサンが、やっぱり国産の日本鰻は違うね!とか言って有難そうに中国鰻を喰っていたという事なので、大概は偽装したって判別できる舌を持っている人などほとんどいないということでしょうから、がぽっり儲かりそうです。
最近は養殖コオロギですよ! 昆虫色は未来を救う! コオロギ、香ばしくて美味しいですよ!
私も大好きです。
ドジョウではなく、ご一緒にウナギの養殖でも始めませんか?(笑)
少々肉薄でも高く売りつけてがっぽり儲けましょう!!
確かに「ウナギ」って看板見たら安っぽい感じがして遠慮しちゃいますね^^;