タケシの武勇伝…(21)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/10/28 15:06:22
タケシは再びベッド脇のイスに座ると、今度は腕を組んでどっしりと腰掛けた。どんな話でもきっちり聞いてやろうと腹をくくっていたからだ。
とにかく、努めて冷静になろうと目を部屋中に走らせてみたが、そんな気持ちで見てみると特に興味を惹くようなものは見当たらなかった。
自然、目の前のチョコレート・ケーキに意識が動いた。シンさんの言うようにタケシの大好物だったからだ。
「じゃあ、コレいただきます」
腹をくくったからにはもう遠慮なんかする必要はない。直径20cmくらいあるケーキの一片を皿に取ると大口をあけてガブリと頬張った。すると、瞬間甘さとほろ苦さが口いっぱいに広がったが、それはすぐに香りだけ残してサラリと溶けてなくなった。スポンジまでが一緒に溶けてなくなるほどの口どけの早さである。ケーキなのにまるで綿菓子のような食感だった。
「う、美味っ!」
やめられなくなったタケシは、ものの数分でケーキの半分を平らげた。
フォークが動くたびに消えていくケーキを見て、お茶を注ぎにきたメイドさんは唖然とし、向かいに座った塙さんも目を丸くした。ただシンさんだけが、微笑みながら頷くばかりだった。
一段落ついたところで、シンさんと目配せした塙さんが話を切り出した。
「北野さん、早速ですが、貴方には私どもの行う手術とリハビリを受けていただきたいのです」
…来たな。
タケシは、淹れたての熱い紅茶をフーフーしながら上目づかいで塙さんを見つめた・・・
※※つづく※※
漢(おとこ)だねぇ~。
みゆう知ってるよなぁ!
みゆうが退会してる…(泣
ほんまやで!
みてきてみ!
これから、晩だというのにミルクティーとトーストです。
一人暮らしのきままさよ。
自分を省みることのできるタケシ君の見せた少年らしさに、思わずきゅんとしました。彼が若くしてこんなにしっかりとして、相手のことを考えられる優しさを持っているのはお母さんの影響が大きいようですね。
シンさん達の提供する「手術」、とても現行法から外れた香りがしますが…タケシ君どうなってしまうのでしょうか。
上目づかいって・・・
食べたくなってきちゃったわあ