Nicotto Town



バラカン氏が流さない1974年の日本


名盤がズラリと並ぶ欧米に比べれば、当時はまだ発展途上の邦楽シーン。
歌謡曲からアイドルへと時代が変わり、ニューミュージックなるものも現れ、
尖鋭的なミュージシャンには生きづらい時代だったと思う。

【1】海を見ていた午後 (荒井由実)

静かで落ち着く店だったドルフィンを観光スポットに堕落・荒廃させた曲。
ハマの人間として腹は立つが仕方ない。この時期の荒井由実の音楽は、
本当にNEWと表現するしかない新しさに満ちていたのでした。

【2】 赤ちょうちん (南こうせつとかぐや姫)

『神田川』に続く四畳半フォークの代表曲もこの年でした。
学生運動の敗北や高度成長の終焉といった時代の空気も濃厚。
GAROは同年に名盤『サーカス』を出してた。『三階建の詩』との落差が凄い。

【3】夕暮れ時はさびしそう (NSP)

女々しいメソメソフォークの第一人者。『さようなら』と並ぶメソメソ度。
かなりのペースでシングル・アルバム出して売れてたのが不思議でした。
この路線を継承したグループは皆無でして、だからこそ光るのかも。

【4】夕立 (井上陽水)

『氷の世界』とこの曲の衝撃度は伝説になっていますね。
フォークもニューミュージックも毛嫌いしてたけど……カッコいい。
売れるとこんな素晴らしいサウンドプロダクション受けられるんだなぁ。嫉妬。

【5】人生を語らず (吉田拓郎)

全くカブレなかったが、この人の影響力も大きかった。
かまやつひろしの曲のカバーだけは佳いと思ったが、
それはムッシュが偉いのであり、拓郎のせいではない、と思っている。

【6】眠れない夜 (泉谷しげる)

バックは『国旗はためく下に』で知られるロックバンド、YELLOW。
そう、後にChar、加部正義と組むジョニー吉長のいたバンドです。
キーボードは川崎雅文。え、誰かって? それはね……

【7】午前1時のスケッチ(カルメンマキ&OZ)

この曲のイントロのピアノは深町純だったはずですが、
メンツが固まり解散するまでのOZのキーボードが川崎雅文です。
後に宇崎竜童を手伝ったりもした名手、2006年に逝去。

【8】おまつり (四人囃子)

『空と雲』も佳いけど、夏なのでこちらを選ぼう。
森園の切羽詰まった、独特なピッチの熱唱がたまらない。
彼もデヴィッドギルモアも、プログレ屋ではなくブルース弾きだと思う。

【9】どんたく(サディスティックミカバンド)

【8】に続けて聴くならこの一曲でしょ。踊りだしたくなる。
加藤和彦の卓越したファッションセンスは、歌いだしの
♪葡萄酒を飲もうよ 果物の酒を というフレーズで明らか。お洒落だなぁ。

※慌てて追記、作詞は松山猛。でもトノバンのイメージ強いんですよね。

【10】外道のテーマ(外道)

♪見よ 外道は美しく虚しい……キャー! ココにシビレる憧れる。
♪紅蓮の炎で 愚か者の楽園を照らす……パンク以前の高踏派ですぜ。
国際・民族紛争の報道眺めてると、時々脳内でこれを流して癒されるのです。

【特別枠】ミナのセカンドテーマ(山下洋輔トリオ)

山下トリオ初の海外公演を収めた大名盤『CLAY』も1974年リリース。
28分を超えるこのテイクはトリオの最高到達点でしょう。
ドルフィーやトレーン、アイラーと並べても遜色なし。日本の誇り。




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