スオミの話をしよう
- カテゴリ：映画
- 2024/09/27 23:42:28
評価★5
あらすじ
スオミが消えた。
刑事の草野④は詩人にして大富豪、スオミの現夫の寒川⑤に呼び出される。
スオミは昨日の朝、弁当を作り継子を学校に送り届けた後に失踪したと聞き草野④は驚く。草野④と結婚していた間、スオミは家事も車の運転も駄目だった。そして庭師の魚山①がスオミの最初の夫であることに気付く。やがて事件を嗅ぎ付けた草野④の上司、宇賀神③が押しかけて来る。さらに脅迫電話に対して身代金を出し渋る寒川⑤に困った一同は実業家でYouTuberの十勝②を呼び出した。
かくして5人の夫（4人は元）たちはスオミ救出のため協力したり、自分がいかにスオミに愛されていたか、今も愛してるか、頼られていたか、離婚してもどのくらい会っていたかで語り合い、時には罵りあう。そして彼らは気づいてしまう。
スオミは大ウソつきで、身勝手で、男を手玉に取り、夫の理想の女性になり切って人格まで変えてしまう魔性の女であるということを。
（名前の右側の数字はスオミと結婚、離婚した順番です）
三谷作品を見る時、これが舞台だったらどうなるのかよく考えてしまう。
今回の「スオミ」は主に寒川の自宅リビングで展開され、夫たちの回想が挟まる。
舞台だったら、男たちがトコトン語り合い。スオミの正体に気付くまででも可能。
今回の映画でもキャラクターが良く出来ており、役者さんたちの怪演が光りました。
この映画を一言で言うと。男女の悲喜劇。
一番若い十勝が他の夫を『トロフィーワイフ』という言葉を使って罵りますが、これは言い過ぎ。極端な例を挙げれば物語の悪役が権力などを利用してヒロインを妻にしようとするパターン。この場合、悪役にとってヒロインが「トロフィーワイフ」になる。しかし、どの夫もやや癖が強いとはいえスオミと普通に恋愛して、結婚したはず、ただ、彼女が「理想の妻」を演じていることに気が付かなかっただけ。彼ら（十勝含む）は「理想の妻」に甘えてしまっただけなのだ。
そして、スオミは男に依存して、相手の理想を演じることを止められない。
