Nicotto Town



永美ハルオと昭和の科学少年


永美ハルオ逝去、という字面では分からなかったけど、
ブルーバックスという文言であっ!と気づいた。
講談社ブルーバックスの挿絵で有名な方です。合掌。

初めて読んだのは『マックスウェルの悪魔』だったはず。
冬休みにブルーバックスを1冊読み感想文を出せという課題が出て、
書店に並ぶブルーバックスの棚の前に初めて立った。

ラブクラフトやサキ等の怪奇小説にハマっていたころで、
書名だけで選んで読んだら……お、面白い。ちょっと怖いイラストも素敵。
ブルーバックスをちょくちょく買う,科学好きの文系少年の出来上がり。

レムの金森達、創元の真鍋博、小松左京の生頼範義と並び、
高度成長期の子供に、科学進歩への無条件の信頼と憧憬を与えてくれた、
そんなイラストレーターだった気がします。独特な絵柄ですよね。

正直なところ、本文の内容とズレを感じる素っ頓狂なイラストも多い。
だけど難解な物理や化学の概念で煮え立つ脳を冷やすのに、
永美氏のイラストは大いに役立ってくれました。

60年代後半のエログロナンセンスの要素もある。
シュールやダダの影響もそれなりに受けてた世代ですものね。
一種の不気味さ、わけのわからなさというものと、未知の科学がマッチした。

ブルーバックス自体の貢献度は大きいけれど、
永美ハルオも科学好きの子供を増やすのに寄与したと思う。
今宵は本棚の奥からブルーバックスでも引っ張り出しましょう。




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