寮で夕飯のカツ丼を食ったが腹が減る。明日は休みだからゲームをやる前の腹ごしらえをすることにした。

自炊場(台所やキッチンとは呼べる物じゃないので自炊場と言われている)に向かえば先客が二人。
料理好きの同僚の一人が酒のつまみを作り、もう一人が手際良くジャンバラヤを作っていた。
俺が作ったのはオムライスと野菜スープ。それを持って自室に向かう道中、自炊場の音とニオイにつられた腹減りゾンビが五体、部屋から湧き出たので急いで自室に滑り込む。

廊下で｢作ってくれェェ｣とか｢売ってくれェェ｣とか聞こえるが無視だ無視。

腹減りゾンビに餌付けするほど優しくないし材料も無い。
食べ終えたら俺は勇者となり旅立たなければならないのだから構っている暇は無い。

オムライスを一口頬張り出来具合を確かめ、ふと思った。



いまだドアの前で騒ぐ腹減りゾンビ共を一掃出来る聖水が欲しい……マジで。