おすすめの観光地は?
- カテゴリ:今週のお題
- 2024/11/22 22:22:53
中国の炳霊寺。
旅日記代わりの自サイトの文章を読み返すと、蘭州から片道5時間かけて行ったらしい。
ほかの僻地は便利に開発されてしまったところが多いが、ここは今でも劉家峡ダムの入り口から船に乗らないといけないらしい。
私が行ったときは、モーターボートに3時間も揺られることになった。
途中で黄河の色と混ざるというの、行きも帰りも転寝してその瞬間はよくわからなかったな。
往復10時間もかかるのに、見学は1時間くらいしかできない。
だけど、ものすごく大きな石仏や洞窟が河岸に並んでいて、こんなにすごいものがこんなところに隠れていたとは、とびっくりした。
インドのジャイサルメール。
ここはパキスタンとの国境近くの町で、ラクダで砂漠の中の昔の遺跡を巡るキャメルサファリが有名だ。
昔は金持ち向けのツアーでもテント泊、ミネラルウォーターで調理くらいだったと思うが、今は据え付け型のテントの中にちゃんとベッドやトイレがあったりするらしい。すごいな。
私は安いツアーを交渉したので、ラクダの上の鞍代わりの布団を地面に敷いて、星を見ながら寝た。
若いガイドは野菜も鍋もコップを洗わず、ジャガイモの入った薄いカレーを作ってくれた。
汚れた食器は砂をかけてこする。
水が貴重な場所だし、砂も熱せられていい消毒をされていることだろうし。
ちなみにトイレは、物陰でちょっと穴を掘ればいい。
用を足していると、どこからかブーンと虫が飛んでくる。
スカラベだ。
別名、フンコロガシ。
用を足したら砂をかけて、と思っていたが、彼らにとっては貴重な獲物だと思うと、そのまま去るしかなかったのだった。
モロッコ、マラケシュの世界最大だというメディナ。
入口の近くには自称ガイドが客引きをしていてうるさいが、大丈夫大丈夫と入ってしまえば現地の人ばかりになる。
絨毯や土産物屋もたくさんあるが、生活雑貨や食料を売る店、染め物の壺が無数に並んだ場所、子供が遊ぶ路地、職人が働く工房など様々な場所があった。
実はメディナの近くの喫茶店で昔日本で働いていたという青年に会い、フランス語圏のモロッコで日本語が使えたのが幸運だった。
彼の通訳でいろんな人と話をした。
政府公認ガイドのコミッションの割合に驚き、職人の手元にほれぼれとし、三島由紀夫を読んでから日本語に興味を持ったという人と筆談した。
イスラミックな考え方も印象的だった。
「早死にするってことはアラーがその人のことを気に入って早くおそばに置きたいと思ったということだから、めでたいことだ。
だから俺達は明日死んだって怖くない。
どんなに儲けて金を持っても贅沢な服を着ても、俺達は死んだら白い布に包まれてすぐに土葬される。
数年たてば土に返って、同じ場所にほかの奴が埋められたりする。
金持ちでも貧乏人でもみんなそうだ。
俺達はそれを知っているから金に重きを置かないのかもしれないな。
金って言うのは、使えばいろいろなものになるけれど、使わなければただの紙だ。
日本人はなぜこんなものをありがたがって貯めこむんだろう。
体や心を豊かにする為に使うことは悪いことじゃないし、死んだらもう使うこともできないんだぜ」
今日は高い壺が売れたからと、みんなで肉や野菜を買って素焼きの壺に詰め、熾火の中でじっくり火を通す。
ご馳走を待ちながら話してくれた彼の表情が忘れられない。
モロッコでしょうか。
昔サンシャインで働いていたという彼と出会えたことは、私の大きな宝になりました。
もちろん、様々な場所でたくさんの人に出会い、その時々で印象に残る出来事がありましたが、語学の苦手な私はなかなか深い話を交わしあうことができなくて。
彼を通してたくさんのことを話せたのです。