Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


深淵の中の蝶

第二十章

彼の作ってくれた鯖の味噌煮に二人して手を合わせ、「頂きます」と言い合い、一口私は頬張った。丁度良い味加減に「すっごい美味しい」と私は彼へと伝えた。…「そうっすか?はは、良かったっす」…「凄いよね、ほんと和食作れる男性なんてそうそう居ないんじゃないかな?」…「そうっすかね?」…不思議そうに考える彼を見て、私は「悠さんってきっと器用なんだよ、女性でも和食はなかなか作れる人少ないんじゃないかな…?」そんな会話をしながら、二人しての食事の時間が私は居心地が良かった。私にとっては居心地の良い空間に「そうだ、悠さん?」…「ん?」…「あのね、私髪が伸びてきたから、悠さんの働いてる美容室に行ってみたいんだけど…」…「あーそうなんすね、えっと俺の働いてる店は…」と場所と店の名前を教えてくれた。ここからだと電車で一駅分の場所にある様子だ。「…それとね、悠さんを指名しても平気かな?」と私は少しの羞恥心と共に彼へと伝えた。「…勿論っすよ、ありがとうございます…でも何か恥ずかしいっすね…はは」…そう笑う優しい顔が愛おしかった。「…ありがとう、明後日くらいかな?予約しておくね」…「あ、はい、ありがとうございます」…「私は宮澤由佳里って名前なの」…「ミヤザワさんっすね、りょーかいっす」そんな会話が終わる頃には、お互いにお腹を既に満たしていた。「腹一杯っすね、一服でもしましょうか」…「あ、うんありがとう」私達は「ご馳走様でした」と手を合わせ、食器を片付けようかと思ったが、彼は「大丈夫っす」と私に煙草を見せながら、「先ずは、これっす」とにこやかに笑った。「…後、ちょっとお願いがあるんすけど…良いすか?」…「ん?どしたの?」と私は彼へと聞き返す。「恋人とはまた違った香りの由佳里さんも抱き締めてみたいっす…」と少し照れ臭そうに言う彼に私は内心舞い上がったが、冷静な振りをして、「…勿論、大丈夫だよ」と返した。彼は「ありがとうございます」と返事をし、私の背後へと回り、ふんわりと私を抱き締めてくれた。彼に抱き締められつつ、二人して煙草へと火を点け、吸い始める時間。なんとも心地が良い。そんな二人の煙の空間に一言だけ、彼は「落ち着くっす」と彼は呟きながら、煙草をふかしていた。煙だらけの二人の時間は私にとっては「特別」な時間がだった。

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2024/12/01 16:45
コメントからも学ばれている紫音さん
前に進もうとする姿勢はこちらも学ぶことがたくさんあります
すごいなあ(*´꒳`*)

悠さんのサバの味噌煮私も食べてみたいです
骨があるし生臭くなりがちだしちょっと難しいイメージの料理なのですが
悠さん器用な方なのでしょうね
それが由佳里さんのお口にも合うってきっと相性がいいってこと ですよね?
いいなあいいなあ
二人で食事をしてゆっくりその後の時間も二人で楽しむ
その特別感がいつまでも続いたらいいなあって思います



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