Nicotto Town


あなたに会えてよかった♪


【第14話】シン・ラジオ・ガール


合宿初日は大賑わいだ。
到着したのが午前11時。てことで、女子たちはみんなでなんかランチを作ってくれるらしい
調理同好会の3人+甲斐名都が、キッチンでなにやら騒いでいる。

「やだ なっちゃんって包丁使うの上手だよね」
「ほんとだー で、なんで天文学部に入っちゃったの?うちに来ればよかったのに…」
「あ、だめだよ調味料はまだだよ!」
「これ、ちょっと甘すぎない?

はあ…
プレッシャーだった。

初見の女子が作る料理を食べるなんて、俺には苦行以外の何物でもない。
いい匂いがキッチンから漂ってくるが、そんなことはお構いなしに、俺はさっきの情景を思い出していた。
車の窓から見えたソニーさん。

こないだの白ワンピじゃなく赤Tシャツに黒のハーフパンツ姿が新鮮で思わす見とれてしまった。
調理同好会3人はくっちゃべっててそんな俺の姿に気づかない。
マッキーも運転に必死で、俺の姿何て見ちゃいない。

ふと、車に気付いたソニーさんがこっちを見る。
あっ…って表情になり、額の汗を手の甲で拭って、やや不思議そうに俺の方を見る。

慌てて俺は小さく、他の奴らに気付かれないように手を振ってみる。
にっこり笑った彼女は薪を持ち上げて暫くこちらを眺めている。

まさか…

女子だらけの車だって気付かれた?

ええええっ!

しかし車はすぐ別荘に到着し、門を入ると、ソニーさんの姿は見えなくなってさ。
茫然としている俺をどやしつけるように、調理部+マッキーが建物の中に押し込んでいったんだ。

でも視界の隅で(意外だったけど)甲斐名都がじっと俺を見てる
のが分かった。

他の連中は気付いていないけど、こいつだけなんか俺の変化に気付いてる。

「ねえねえ 先輩、誰か知ってる人いたりとかしました?」

マッキーが荷物運んで部屋の中に消えた途端、詰め寄るように俺に話しかけてきたから、多分そうだろうなって。

「ん?いや…そんなことないけど」
嘘ですね。
 …なんか変わりましたよ?先輩…隣の別荘見てから。あの玄関にいた女性、知り合いなんですよね?」

鋭い奴。

てか 鋭すぎる

俺が分かりやすかったのだろうか?

「全然全然!さ、腹減ったから飯にしようや!」
なんとか甲斐名都をごまかして荷物抱えて、俺も別荘に入っていったんだ。


マッキーは鼻歌混じりにデザート作ってる。
調理同好会3人は、騒ぎながら焼きソバを焼いてる。

こっちをチラチラ見ながら、甲斐名都はネギやらキノコやらを刻み、豚肉合わせて野菜炒め作ってる。

そんな中、俺はなんとか隣の別荘に行く口実を、必死で考えていた。

ワイワイ言いながら、昼食メニューが並ぶ。
焼きソバと野菜炒め、そしてマッキーが頑張って作ったであろう、なんだか意味不明なデザート…

「マッキーさあ これ 何てデザートなの?」
恐る恐るそう訊ねると、キっと此方向いたマッキーは

「杏仁豆腐だろっ 見たらわかるだろうがっ!」

じゃあ聞くが、先生さんよぉ。
なんでグザイがみんなが真っ黒なんだ?
汁から滲み出るカレーの匂いはなんなんだ?

「マッキー… 致命的にメシマズ女だったんだな…」
「なんだとっ!」

パンチかわすのも慣れてきたもんだ。
マッキーのグーを避けて、身体泳がせてみたら、余計に怒りの炎に油注いだみたいでさ。

その時だった。

ピンポ~~ン♪

別荘の呼び鈴が鳴ったんだ。

(続く

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2024/12/14 10:41
(ΦωΦ)ふふふ・・・・何か差し入れかしら?(´艸`*)ワクワク
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2024/12/04 22:08
怪文書?
アバター
2024/12/02 23:00
ピンポ~~ン♪
もしかしてソニーさん登場かな?
皆と一緒にわいわいの展開になるのか、それとも??
ソニーさんとの行方が気になります




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