ネタばれ読書日記「探偵レミング」
- カテゴリ:小説/詩
- 2024/12/15 21:06:52
探偵レミングの災難 シュテファン・スルペツキ著
評価★1/5
オーストリア出身の作家で舞台はウィーン。お人よしだがドジで小心者な探偵の話、という設定は面白いのだが、失礼だとは思うがモーツアルトが下品なジョークが大好きだったという逸話を思い出した。密輸に使われた犬を保護して犬の××から麻薬を発見するはいいが捨てるところ無くて困る。とか酔って記憶失くして服の汚れからモツ煮を食べたことはわかるとか、、直接の表現は無いけど、主人公の駄目男ぶりを描写するのに衛生面がかなり不安になった。あと、主人公の天敵の警部の人格もかなりひどいので結構暴力的。
何よりも
事件解決している?
最終的に犯人と密室で一対一で対決して逃げられるし、警察へ提示する証拠はどうするんだろう。麻薬運搬犬の問題も放置してない? 運搬にかかわった組織がいるはずだけど。
【あらすじ】
突発的に無謀で危険な行動を取ってしまうため「レミング」(自殺するネズミ)という不名誉なあだ名を持つヴァリシュは元刑事で探偵だ。単なる浮気調査のはずが目を離した隙に尾行対象が殺害されてしまう。
一度は犯人と疑われるも解放された「レミング」は天敵のクロツニヒ警部を避けながらも捜査を続ける。
被害者のグリンツィンガーは元教師で、家庭でも担当教室でも冷酷な独裁者だった。彼の生徒たちの間には裏切りと密告があり、多くの生徒たちが脱落し、深刻なトラウマに苦しめられている者もいた。
最大の事件は約20年前、生徒たちが放課後のカフェで『お礼参り』を企んだことが切っ掛けだった。企みは露見し、グリンツィンガーは生徒たちだけでなく、企みの中心にいたノイマンの父親の経営するカフェまで攻撃対象にした。結果、心臓を悪くしていたノイマン父は急死し、ノイマンは行方不明、卒業後ノイマンの仲間の一人が自殺していた。
探るうちにプリビルという元生徒が斬殺される。そして「レミング」はプリビルを訪ねて来たノイマンに遭遇する。
父の死からすべてを棄てて別人になって生きて来たノイマンだったが。イタリアでプリビルと再会し、口止めしたにも関わらず、仇敵とも言えるグリンツィンガーから手紙を受け取ったことに怒り、困惑もしていた。そしてグリンツィンガー殺害現場に呼び出されていたと語る。
「レミング」は殺人犯がグリンツィンガー殺害をノイマンに擦り付けようとしていたことに気付く。そしてプリビルがノイマン生存を漏らしたのは同級生であることも。
現場近くで目撃された銀色の高級車から元同級生のズーンライトこそがすべての事件の犯人だった。彼はグリンツィンガーの一方的な崇拝者であり、20年前にグリンツィンガーの敵であると見なしたノイマン父を殺害して証拠としてノイマン父の眼鏡を持ち去っていた。真相を告げられたグリンツィンガーは卒業までズーンライトを避け、ズーンライトのほうはそれは「必要なこと」と「信じて」いた。
それが20年を経て片思いであることを知った時、ズーンライトはグリンツィンガーを殺害し、同時にノイマンを陥れる計画を実行した。
大観覧車のゴンドラの中でズーンライトは「レミング」にすべての罪を認める。しかし一瞬の隙を衝いて逃亡したズーンライトは誤って線路に倒れ込み、轢死してしまう。