大型エアテントの事故
- カテゴリ:コーデ広場
- 2024/12/22 04:56:00
ライブ会場で突風か、7人重軽傷 高さ8メートルのエアテント崩れる(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース 12/21(土) 23:04配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea2b206b5cc75b57de557926477dcc3c0cf1474d
上記の表題を見たときに、どんなテント?と疑問を感じて記事に飛んだ。
そして 添付の写真を見て 納得した。
・レジャーグッズとして人気のドームテントの、商業バージョンなのかと。
この形状だと、入口から吹き込んだ風で 覆い部分がフワっと浮き上がり自重で落下したときに 軽量タイプのポールが崩れることは容易に予想できると。
「ポールも覆いも軽量タイプだから、設営時の人件費も運送コストも削減でき、内部の保温性もあるから客からも好評価、冬の野外イベントにもどうぞ」というキャッチフレーズが目に浮かぶ。
しかし 冬の天気に突風(というほどでもなくても 一瞬強い風が吹いて やんで また吹いて)はつきものなので、見るからに危なそうな大型テントだと思うのだけど。
・従来の、それこそ半世紀前の運動会の本部席(校長先生の観覧席)に使われていた天幕タイプの大型テントですら、
販売当初は支柱が倒れた事故が相次いで設営時の注意喚起がなされていたのに・・。
・さらに 一時期商業プールの目玉扱いだった大型フロート
素材的には エアテントととの共通性もありそうだが、では
子供たちが水流でフロートの下に押し込まれてしまうと、フロートに押し付けられる形になって自力では脱出できず溺死という事後が複数あったのに、
イベント会場に設営される大型構造物の安全基準を明確にし、製品開発・販売企業も、きちんと 使用されるの風土(気象条件)に合わせた実地検証で安全確認していないと製品化できないようにすべきでは!! と思った。
・10月には和泉市の隣の泉大津市の音楽イベントで撮影用クレーンが倒れて負傷者が。
・第一次阿部内閣以後の「規制緩和」の大合唱で すべてがなし崩しにされ、製品開発・販売企業による安全責任が ほぼ放棄されたに等しい現状となった今の日本では、
一人一人が 自分の頭で 安全性を判断し
「どんな楽し気なイベントでも参加しない」という決断を迫られるシーンが増えたのは 切なく・わびしいなと思う。
(子持ちの親に取ったら 子の安全性を考慮した結果、子供やから恨まれたり 心ない人々の差し出口により親子関係にひびが入る危険性まで背負わされる時代になった><)
・野外活動指導者として基礎研修の一環で事故分析やった経験からすれば 上記にあげた事故はいずれも「防げる事故・防ぐべき事故」だったのだから!!
・・記事本文・・
21日午後6時20分ごろ、大阪府和泉市池上町4丁目の池上曽根史跡公園で「テントが風で飛ばされて複数人が負傷している」と119番通報があった。
公園では能登半島地震の復興支援イベントが開かれており、音楽ライブ会場のエアテントが崩れ、付近にいた7人が重軽傷を負った。府警が業務上過失致傷容疑を視野に調べている。
和泉署やイベントを後援する市教委によると、テントは高さ約8メートル、約15メートル四方のアーチ状。発生時はライブの休憩中で、テント内には約70人が出入りしていたとみられるという。目撃情報では、突風でテントが吹き飛んで崩れ、負傷した7人は倒れた支柱に当たるなどしたという。
大阪管区気象台によると、同市では午後6時21分に強風注意報が出されていた。
・・記事感想・・
従来の日常感覚では、「強風注意報」というのは、個人が「ものがふきとぶことによる事故に注意」する程度のもので、
強風注意報程度でイベント中止の必要はなかった。
しかし イベントで主な役割を果たす大型構造物や設営物が
いとも簡単に転倒・崩壊するようでは、
イベント主催者としては、「強風注意報」でのイベントの中止・中断も視野に入れるべき時代になったと思う。
それもこれも 使用備品の安全性が脆弱なモノがあふれたり
機器担当者が「委託業者の人=臨時スタッフ」だから安全に留意した決定権を持たない人になってしまっている(泉大津の事故)現状だから。
・「安全基準」を厳しくすることは、逆に言えば 主催者の安全責任負担を軽くするとともに、
イベントスタッフの決定権の無さによる事故を防ぐ役割もあるのに!!
・たまたまイベントを主催することになったからと言って
会場で使われるすべての備品の安全性を入念に検討するのは個人の能力的限界を超える側面がある。
(私のように 一つのことをなすために あらゆる角度からそれに関連する専門的情報を自分で集める人間はまずいない!というかそういうタイプの人間は 出世できでない、地の塩にはなれるけどw)
・テント設営を実地にやる人間なら、その製品の危険性に気付くことがあるかもしれないが、下請けだとその危険性を指摘できない。それをやったら「差し出口」とみなされおまんまの食い上げだもの。
その結果「良心を麻痺させ 考えることなく上に従うだけの無責任労働者」がのさばる時代になった。
あるいは泉大津の撮影担当者の事例は、使用機器に関する安全基準の無さが事故を引き起こしたという典型例だと考える
・「規制緩和」をはやし立てたマスごみが同時期に「日本の安全神話」をまき散らしていたこととあわせ、
無責任な記者・編集・メディア企業の悪行が社会になす業を
今回の事故にも見た思いがする。
(日本のマスごみの闇の深さいうまでもなく!!)
・「安全基準」が明確だったからこそ
日本で暮らす人々は、「規則さえ守っていれば 細かいことを考えなくても 安全配慮に煩うことなく 安全な暮らしを満喫」できていたのにね!!
・そして 撮影担当者(=オペレーター)に、その器具の使用上の留意点が正しく伝えられていたのか?
はなはだしく疑問
しかも 担当者が「使用上の留意点」を知っていたとしても、孫請け企業の雇われ人である以上
そこに注意を払って撮影した結果「不完全な映像しか取れなかった」と上部からみなされたら
費用を払ってもらえなかったり 下手したら損害賠償請求を起こされたり 次の仕事は干されるてしまうのが現実でしょうに
・というわけで、企業Aが 統括責任者として
「撮影用クレーン使用における具体的な安全対策基準や再発防止策を策定の上、その運用を開始できるまでの間、クレーンのアーム可動部分の長さを半径とする360度の範囲に人がいない状態を確保できない場合は、ライブイベント会場での撮影用クレーンの使用は控える」
という決定を下したことは、
かつての 安全を担保するための各種の「規制」=「明確な安全基準の採用」を決めたという点で
それを決断した思考プロセスも含めて
私は この企業を「良心的」と評価したわけである。
・本来なら これは 「企業としてなすべき社会的責任として ごくごく当たり前のこと!」
だったのに
そういう企業モラルが メディアによって崩壊させられてしまった現状では
「良心的だ」と高く評価しなければいけない時代になったということそのものが
「嘆かわしい 今の日本!」だと思いますが・・
というわけで 株式会社スペースシャワーネットワークさん 今後も まっとうに頑張れ!
(表看板だけの声明で終わりませんように!)
・各種報道記事より 上記の 企業声明のほうが よっぽど充実した内容で まっとうな論調って
どういうことよ! とも思いました。
株式会社スペースシャワーネットワークは映像制作業務全般を統括する立場として、株式会社629及び株式会社関西ロケーションサービスの協力のもと、負傷されたお客様が一日も早く回復されるよう尽力するとともに、今回の事故を厳粛に受け止め、責任をもって、転倒に至る遠因も含めて徹底的に調査、検証を行い、二度と同様の事態が生じないよう、安全対策及び再発防止策の策定、オペレーターの教育訓練の徹底、ライブイベント業界でのリスク情報の共有等を積極的に図り、お客様に安心して楽しんでいただけるライブ体験を提供できるよう努めてまいります
株式会社スペースシャワーネットワークとしては、今回の事故における正確な検証と原因究明を行うとともに、撮影用クレーン使用における具体的な安全対策基準や再発防止策を策定の上、その運用を開始できるまでの間、クレーンのアーム可動部分の長さを半径とする360度の範囲に人がいない状態を確保できない場合は、ライブイベント会場での撮影用クレーンの使用は控えることといたします。
改めまして、この度は、転倒事故により、皆様方に多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
株式会社スペースシャワーネットワーク
代表取締役社長 林 吉人
・・上記の声明を評価した点・・
・企業と事故との「契約上の関係」を明確完結に述べている
企業Aは撮影業務における実質的な責任者
しかし、直接的には 撮影そのものにも、機材の調達にもかかわっていない
・事故原因は、オペレーター(撮影実務者)が機材の安全荷重の範囲を超えた操作を行ったこと
その理由は、「機材の安全荷重の範囲を超えた操作を行ったこと」にある
そりゃスタッフは、きちんと場面を移さないと 上部から文句を言われるから必死でしょう
孫請け職員に過ぎないのだから
撮影器具を選定した人が、当日のライブ内容(動きの激しさ等)を果たして知っていたのか?
知っていれば それを安全に撮影できる器具を選んだかもしれないが、果たしてそれを知りうる立場にあったのでしょうか?? 往々にして、イベント主催者は イベント出演者の名称(仲介人から告げられた人気度)しかしらに事が多いのに。
そして出演者決定に先立って、イベント実務企業がその準備を始めることのほうが多いのに
の根拠となる 声明 ↓
(この声明そのものは 正しい意味で良心的だと考えた理由は 引用の後で述べます)
音楽イベントにおける撮影用クレーンの転倒事故に関して
https://www.spaceshower.net/contents/858435 2024年10月11日
既に報道等にもありますように、先日10月6日、大阪・泉大津フェニックスにて開催された音楽フェスティバル「PARASITE DEJAVU 2024」において、ライブイベント撮影用クレーンが転倒し、お客様に5名の負傷者が出るという重大な事故が発生しました。
今回の転倒事故により負傷されたお客様には心より深くお詫び申し上げますとともに、一日も早いご回復を切にお祈りしております。また、当該イベントにご参加いただきましたお客様、主催者及び出演アーティストの皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。
株式会社スペースシャワーネットワークは、主催者からの依頼を受け、当該イベントにおける映像制作業務全般を受託し、その技術パートを映像技術会社の株式会社629に委託するとともに、撮影用クレーンの調達とそのオペレーション業務に関しては、株式会社629より撮影用特機専業の株式会社関西ロケーションサービスへ再委託をしておりました。
転倒した撮影用クレーンは全長12メートルで、先端にリモートカメラを取り付け、クレーンの反対側の重りでバランスを取りながらオペレーターが手動で操作するタイプのクレーンでした。
事故発生当時、オペレーターが、クレーン操作において曲調にあわせて急スピードでリモートカメラを上方へ動かそうとして力を入れ過ぎ、機材の安全荷重の範囲を超えた操作を行ったことが原因で、クレーンの土台部分の台車がバランスを崩して転倒し、クレーンのアーム部分が客席側に落下したものと思われますが、今後あらためて検証と事実確認を行っていきたいと考えております
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