掛け時計
- カテゴリ:小説/詩
- 2025/01/03 22:06:20
テーブルに座っている
目の前の白い壁にある空間を見つめている
そこには時計が掛けてあった
そして二人の時間が流れていた
あなたの笑顔の後ろで
いつも当たり前のように時を刻んでいた
そして
あなたが消えた日から時計が消えた
時が消えてしまったのだ
だから恐る恐る私は時計を外した
背伸びをしながら手を伸ばした
息が苦しかった
時もわたしの呼吸も静かに止まった
部屋がこんなにも冷たいなんて
窓からは優しく冬の日差しが差し込んでいる
あなたの寂しげな残像がテーブルに映る
もうじき日が暮れる
あなたが消えた寒い夜がまたやって来る
今日も
これから