【小説】友達の扉 上田海斗君視点 その⑥ お弁当
- カテゴリ:自作小説
- 2025/01/20 23:19:15
ーーーー次の日のお昼休み
市原の奴、今日も、ぼっちめしか。。。。。。
友達と食べたいんだろうな。。。。
「上田君、お弁当作ってきたの。よかったら、どうぞ♡」
げっ!出たな!鬼龍院。
「いつも、購買のパンじゃ身体に悪いわよ。」
オレに、弁当作ってきてんじゃねえよ!
「いらねえよ!」
オレは、不機嫌そうに答えた。
「あら、遠慮しなくてもよくってよ。」
「朝4時半に起きて作ってきたのよ。食べて♡」
ひつこい奴だな!
オレは、頭にきて、大声で叫んでしまった。
「オレ、人をおとしいれるような奴とはしゃべんねえんだよ。」
「あっち、行け!」
ちょっときついこと言ったなって後悔したけど、鬼龍院はめげてなかった。
「ねえ、どなたか私のお弁当たでてくださらない?」
何人かの男子が手をあげた。
えっ?そんなにたくさん鬼龍院の弁当食べたい奴がいるのかよ。
驚いていると、鬼龍院が市原に話しかけていた。
「いじめなんて下品なことはしませんわ。」
「あなたがその卑怯な髪を何とかして来たら、正々堂々と勝負しましてよ。」
「私の髪が卑怯?」
「そうですわ。かわいいもの。」
「その髪で上田君の気をひいてるじゃない。」
こいつら、オレが後ろにいること忘れてるのか?
「これ、地毛だし、上田君の気を惹いたりしてないし。」
「上田君の事好きじゃないし。」
市原のこの言葉は、さすがにショックだった。。。。。
おい、おい、おい。。。。。。
そうこうしてるうちに鬼龍院の弁当のもらわれ先が決まったようだ。
ん?
おい?
市原がみんなに混ざって鬼龍院の弁当を覗き込んでいた。
市原が戻ってきた。
「おまえ、人の弁当のぞき見するなんてはしたないぞw」
嫌味のつもりじゃなくって。。。う~~~ん。。。。
なんか、みんなと同じ行動をしている市原をみれたのが嬉しかった。
市原は照れ笑いしながら、
「美味しそうだったわよ。残念なことしたね(クスッ)」
「上田君、本当は翔子さんの事、悪い人だって思ってないでしょ?」
オレは、バツ悪そうに返事をした。
「そうだけど、手作りの弁当は堪忍してほしいわ。」
えっ?
おい?
なんでだよ?
市原の目から涙がこぼれ落ちていた。
「市原。。。。?」
「あっ、ごめん。学校でこんなに誰かとしゃべったの久しぶりだから。。。」
いや、エスケープしたとき、鬼龍院と3人で沢山しゃべったやろ?
「嬉しくって。。。。」
オレは、照れくさかったけど
「オレでよかったら、いつでもしゃべるくらいするよ。」
「オレのことは、好きじゃないらしいけど(笑)」
今度は、市原が笑顔になった。
相変わらず、表情がコロコロかわる娘やなって思ったけど、
ここは、男としてきめないと
「おまえ、笑ってるほうがかわいいぜ。」
(つづく)
キャンディキャンディ思い出してかいたw
「笑ってるほうが、かわいいよ♡」
おめでとうございます