現代思想入門読了
- カテゴリ:勉強
- 2025/03/14 05:01:20
千葉雅也「現代思想入門」読了。
結論としてはポストモダンの脱構築を超えて、ポストポストモダンを探る動きが現代の主流だよ、という所の模様。
それはそうだろうと。
ポストモダンと言うのは、結局脱構築で、ありとあらゆるものの否定の上に成り立っているような哲学であって、もしこれが仮に理念的に正しかったとしても、この思想のまま動いてしまえば世界の方が崩壊するのは明らかであって。
相対主義なので、何をやっても甲乙が付かず、これでは無重力空間で植物を育てるようなもの。
重力があるから草は上方へと延びる事ができるが、それがなければ全ては相対。
どこに向かって進んでいいのかも分からなくなってしまう。
ポストポストモダンについては、今の自分にとっては難解すぎて何とも言えないが、ここに来てようやく「他者」の存在に哲学が気づいたのは大きいのではないか。
デカルト以降、哲学は、「私」の事ばかりを考えすぎてきた。
他者との関係性というものを、哲学として洗い直す事ができれば、全く新たな展開が生まれるのではないか。
個ばかりを大切にする西洋の伝統に対し、日本では元々よそ様世間様でやってきた文化伝統がある。
他者を重視する哲学に置いて、我が国の状況は、新たな哲学を開く素養に恵まれた状態、とも言えるのではないか。
自分自身がポストモダンも、ポストポストモダンも理解しているとは言い難い段階ではあるが、感覚的に、直感的に、哲学が、個に留まらなくなってきている事に関しては、吉兆であるように感じている。