Nicotto Town



【小説】真夏の罪 その⑤ SNS



陽斗君のコロナも治って、また、学校の図書室で一緒に勉強するようになった。
でも、私にあるのは、罪の意識――――
このまま黙っていれば、何も起こらない。
変わらず、陽斗君と過ごせる。

「美桜?顔色悪いよ。どうしたの?」
心配そうに私の顔を覗き込む陽斗君。
「えっ?なんでもないよ。元気♡元気♡」
「美桜、花火大会行けなくてごめんね。」
私は、胸がつまった。
「ううん、来年は一緒に行こうね♡」
「ああ、そうだね。」
胸が苦しかった。なにも、疑っていない陽斗君。
私は、そっと唇に触って、自分の罪を思い返した...

いつまで、嘘をつけばいいの?

それでも、悪いことは隠し通せないものなのね。
2学期が始まったとき、1枚の写メがSNSで拡散された。

私と香月君のキスシーンだ。

普通なら拡散されるような写真じゃないのに、運の悪いときって、悪いもんだ。

陽斗君は黙ってその写メを私に見せた。

「どういうことだ?」
「花火大会、パルちゃんと行ったって言ってたよな?」
「本当は誰と行ったんだ?」
「そこで、何をしてたんだ?」
陽斗君は、無表情でたんたんと聞いてきた。
私は、何も答えられなかった。

「もう、おしまいだな!」

それが陽斗君の最後の言葉だった。

教室の音や声がとまった。
まるで、自分だけ、そこに取り残されたような異様な感覚。
本当のことがばれて、心が軽くなった?
ううん、重くなった。
どうなるの?
どうしたらいいの?
その後の私はまるでぬけがらだった。
それでも時間は過ぎていく...

下校時刻。
帰らなきゃ...




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