【小説】真夏の罪 その⑥ 香月君
- カテゴリ:自作小説
- 2025/03/26 17:08:17
その日の帰り、校門のところに香月君が来ていた。
私は、会いたくないから逃げようとしたけど、腕をつかまれた。
「ごめん。SNSの写メ、俺の高校の奴が撮ったんだ。」
ヒソヒソ
〈あの二人って、例の写メのふたりだよね?〉
〈あの写メ、綺麗だったよね。なんか、憧れる。〉
〈男の人、写メよりかっこよくない?〉
私たちを見ながら、みんなが興味深々で通り過ぎて行った。
香月君は、周りが気にならないようだった。
「俺じゃダメか?」
「えっ?」
「陽斗は、おまえのこと、許さないだろ?」
だから、なんで、今、ここで、そんな話するの!
私は、パニック寸前だった。
「俺、いい加減な気持ちでしたわけじゃないんだ!」
「本気なんだ!おまえのこと!」
タイミング悪く、陽斗君が横を通り過ぎて行った。
顔色ひとつ変えずに...
「すぐに返事しなくていい。」
「でも、俺のことも考えてみてくれないか?」
「腕...痛い。離して。」
私はうつむいて、怒りを抑えながら言った。
「香月君は、なんで、公衆の面前で告白したりキスしたりするの?」
私は香月君をにらんで言った。
「もう、帰って!私に関わらないで!」
香月君が帰るのを見届けて、パルちゃんが声をかけてきた。
パルちゃんは、川端パル子(かわばたぱるこ)っていって、高校ではじめてできた友達で、今じゃ、親友なんだ。
「美桜」
「パルちゃん...」
「お茶して帰らへん?」
「うん」
――――ファミレス
「美桜、私も例の写メ見たよ。」
私はビックっとして、ジュースをこぼしかけた。
「怒らないで、聞いてね。」
「写メの美桜、幸せそうな表情してたよ。」
「えっ?」
「美桜、相手の人のこと、好きなんじゃないの?」
私は首を横に振った。
「私が好きなのは、陽斗君だよ!」
その言葉に、返ってきたパルちゃんの返事は、思いもよらないものだった。
「そう、思いたいだけじゃないの?」
「彼氏がいるのに、他の人が好きだって認めたくないから。」
パルちゃんは、すまなそうに、
「きついこと言って、ごめんね。」
「でも、このままだと、みんな、かわいそう...。」
みんな、かわいそう...
私のせいで、みんながかわいそう...
「私、陽斗君に、誠心誠意謝ってくる!」