【小説】先生を好きになってもいいですか? その③
- カテゴリ:自作小説
- 2025/04/07 23:06:11
放課後
私は美鈴に誘われて、テニス部の見学に行った。
美鈴は、中野美鈴(なかのみすず)といって私の高1のときからの親友だ。
めちゃめちゃ美人で、性格もやさしい自慢の親友だ。
美鈴は今までに、いろんな人に告白されてきたけど、いまだに、彼氏いたことないんだよね。
そんな美鈴が、三上先生に一目惚れしたらしい。
私は三上先生苦手だけど、美鈴の頼みだし、ほぼ毎日、テニス部の見学んい付き合っていた。
科学の授業中も、美鈴は三上先生のことを熱いまなざしで見ていた。
本人は気付いていないみたいだけど。
三上先生は、そんな美鈴の視線に気付いているのか、いないのかわからないけど、よく、美鈴のことを見ていた。
きわめつけは、科学の実験をしているとき、美鈴があやまって、フラスコを割ってしまったとき、三上先生の対応は、まるで彼氏のようだった。
「中野!大丈夫か?」
「三上先生、ごめんなさい。」
フラスコの破片を拾おうとした美鈴の手を三上先生がとって、
「危ないから、おれがやる。」
その様子を見た男子がヒューヒュー言ってからかった。
美鈴は赤くなっていた。
ゴールデンウィーク前、美鈴は、学校が休みになると三上先生に会えないって寂しがって、今日も放課後、テニス部の見学に行った。
三上先生がプレーしていた。
テニスコートのまわりは女子でいっぱいだった。
一球打つごとに歓声があがった。
汗が光るという言葉がぴったりだった。
プレーが終わって、笑顔の三上先生。
白い歯が輝く。
そして、三上先生は、美鈴の方へ歩いてきた。
美鈴は驚いていたけど、うれしそうだった。
「中野。話があるんだ。学校の駐車場で、待っていてくれないか?」
美鈴は何とも言えない表情で固まっていた。
私は、そんな美鈴を三上先生に任せて帰ることにした。
このことが後でどれほど後悔することになるのかも気付かずに...