【小説】先生を好きになってもいいですか? その④
- カテゴリ:自作小説
- 2025/04/07 23:37:32
私は美鈴をおいて帰ることにした。
帰りぎわ、テニスコートの横の十字塔のそばを通ったとき、十字塔の空洞のところで何かしている水原先生を見かけた。
私は水原先生の後ろから声をかけた。
「水原先生、なにしているんですか?」
水原先生はびっくりして、振り向いた。
まるで、いたずらしているのがみつかった子供みたいに
「ああ、井上か...」
ワン!
「あーーー仔犬だ♡かわいい♡」
水原先生は仔犬にえさをあげていたんだ。
「えさをやってたことは、内緒にしてくれないか?」
「怒られるから。」
気まずそうな笑顔でお願いしてくる水原先生。
全然、教師らしくない(笑)
「だっこして、いいですか?」
水原先生は、そっと仔犬を抱かせてくれた。
仔犬が私の顔をペロっと舐めた。
「かわいい♡」
水原先生は、優しい顔で私と仔犬を見ていた。
「明日から、私もえさあげに来てもいいですか?」
「そうしたら、共犯ということで、仔犬の事、内緒にしておきます。」
水原先生は、ちょっと困った顔で、頭をかきながら、
「まあ、井上ならいいか。」
「でも、くれぐれも内緒だぞ。」
念を押してくる水原先生、やっぱり、かわいい♡
私より10歳も年上に見えない。
「ねえ、水原先生、このワンちゃん、名前あるんですか?」
「ーーーー北淀犬。」
「えーーーーっ!?かわいくない!」
私は仔犬を抱きながら、
「もっと、かわいい名前がいいよね。」
私は、はりきって名前を考えた。
「そうだ!チョコちゃん♡茶色い仔だし、いいでしょ?」
水原先生は、笑いながら、
「いいね。」
「おまえは、今日から、チョコだぞ。」
水原先生と私の二人だけの秘密♡