Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


最期の夜月


第十九章

私が目を覚ましたのは8時を少し過ぎた辺りだった。…取り敢えず、煙草…とベッドの脇に置いてある煙草とライターと灰皿を手にした私は横になった儘煙草を咥え、火を点けた。…美味しいな…とぼーっと天井を眺めつつ呼吸を深くした。…あれ?そういえば肇さんがいないや…まだ頭の回転が鈍い儘、…もう起きちゃったのかな…とぼんやりと思考が動き出す感覚。身体が気怠くまだ動かなかった為に、…もう一本吸っちゃお…と煙草を取り出した。…そうだ、今日は肇さんがオムライスを作ってくれるんだっけ…と少しづつ楽しみな事も頭に浮かんでは一人でにやついてしまった。そんな私の時間を楽しんでいる頃、まだ起きていない思考の儘、…取り敢えず、そろそろ起きよう…と身体を起こした私だ。寝室を出て、肇さんを探すかの様に、私は目を擦りながら…「んー…肇さぁん」と呼ぶと彼はベランダにいたらしく、…「美月さん、おはようございます!」と元気よく挨拶をくれた。…「…外にいたの?おはよう」と私もボーッとした儘答えた。時計を見ると8時半頃だった。…「今日は暑い日になりそうだよ」とにこやかに笑う彼に、私は…「そっかぁ」とぼんやりと答えていた。まだ思考がはっきりしない儘、…「煙草吸いたい」と彼へと伝え、…「美月さん、こっち座って」とソファへと彼に寄り添われながら、向かった。ソファへと座らせて貰った私は、ぼんやりと外へと目を向けた。久しぶりに晴れている天気に…「ほんと、今日暑くなりそうだねぇ」と彼へと話し掛けていた。…「でしょ?」と微笑みながら彼は私の煙草、灰皿、ライターを準備していてくれて、…「ここに煙草一式揃えておきます」とお道化てみせた。…「ふふ…なぁに、それ」と私は続けて…「ありがと」と伝え、煙草に手を伸ばした。煙草を一本取り出し、火を点ける。深く深く吸い込んだ煙は私をリラックスさせてくれる。…恐らく肇さんもいるからだろうな…と深々と煙を吸い込んでは吐き出す行為をした。…「美月さんは直ぐに朝ご飯食べれる方?」と問われ、…「あーコーヒーと煙草楽しんだ後かなぁ」と答えた。…「あ!それじゃあ僕、コーヒー入れる!」と嬉しそうに言う彼に…「お願いしちゃっても良い?」と甘えた事を言っている自分がいた。…「うん!キッチン借りるね!」と彼はキッチンへと向かい、…「ケトルとか使うよー大丈夫?」と確認していた。私は…「うん、大丈夫」と答えると彼は手際良く、コーヒーを入れ始めた。…「マグはこれで良いの?」と聞く彼に、…「そこに置かれてるマグならどれでも良いよ」と答えながら、私は煙草を堪能していた。…「分かったー」と彼の笑顔が零れる。…なんて温かい朝なんだろう…と考えながら煙草をぼーっと吸い続けていた。…いつまでもこんな生活してみたいな…とぼんやりと考えている私に驚きを隠せなかった。




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.