【小説】先生を好きになってもいいですか? その⑯
- カテゴリ:自作小説
- 2025/04/23 23:50:00
――――美鈴の家
ピンポン!ピンポン!ドンドン!ドンドン!
三上先生は必死で呼び鈴を鳴らしてドアを叩いた。
びっくりした美鈴のお母さんはインターホーン越しに対応した。
「どちら様ですか?」
美鈴のお母さんの言葉で我に返った三上先生は、インターホーン越しに自己紹介をした。
「美鈴さんのクラスの科学の授業を受け持っている三上と申します。」
「美鈴さんに会わせて頂けないでしょうか?」
インターホーンの近くに来ていた美鈴がびっくりして、
「三上先生!?」
って叫んだ。
三上先生は、美鈴が聞いてることを知ると、
「中野!!聞いているんなら、出て来てくれ!!」
美鈴はお母さんに頼んで三上先生と話をすることにした。
ここまで走ってきたせいか汗だくのすごい表情の三上先生が玄関前にいた。
「ママ、ごめんなさい。三上先生と二人で話させて。」
美鈴のお母さんは、しぶしぶ承諾した。
応接室で話すことになったけど、ふたりともソファーに座ることなく立っていた。
美鈴は三上先生に背中を向けていた。
「中野...妊娠してるって本当なのか?」
美鈴は黙ってうなづいた。
「どうして、俺に話してくれなかったんだ?」
「俺はそんなに頼りないのか?」
美鈴は背中を向けたまま、
「違う!!!でも、私が妊娠したって知ったら、先生困るでしょ!?」
って言った。
「だから、ひとりで耐えていたのか?」
三上先生は美鈴を後ろから抱きしめて
「一人でつらい思いをさせて、ごめんな...」
「お腹の中の赤ちゃんは、元気なのか?中絶なんかしてないよな?」
「週明けに中絶の手術を受けます。」
「それで、何もなかったことにします。」
三上先生は美鈴を自分の方に向けて、こう言った。
「産んでくれないか?」
美鈴は、びっくりした。
「産んでいいんですか?」
「当たり前だろ!中野と俺の子だ。」
「学校の事とか色々問題はあるが、俺が中野を守るから、産んでくれ!」
「俺はあの日、中野と生きていくつもりで告白したんだぞ。」
「思ってたより早くなるけど、結婚しよう。」
美鈴は顔がくしゃくしゃになるくらい泣いて喜んだ。
「はい。」
そう答えるのが精一杯だった。
三上先生は、お母さんと話したいと言って、美鈴にお母さんを呼びに行かせた。
お母さんがきたら。まず、三上先生は土下座をした。
「この度は、まだ、高校生の美鈴さんを妊娠させてしまって、申し訳ありません。」
「もし、許されるのなら、美鈴さんと結婚させていただき、お腹の中の赤ちゃんの父親になることを許して頂けないでしょうか?」
「はい、わかりました。と言える状況じゃありませんね。」
「もうじき、主人も帰ってきます。4人で話し合いましょう。」
「美鈴も、それでいいわね。」