量子コンピューターPart2
- カテゴリ:日記
- 2025/05/17 13:45:53
Part1から続き
実用的な量子コンピューターが出来上がって、配備された場合
まず最も恩恵を受けるのが医療と創薬です。
今新しい薬を開発するためには全ての分子構造をシュミュレーションした上で、無数のパターンを試しそこから有効な組み合わせを、探し出す。このような膨大な計算が必要なので例えスーパーコンピューターを使ったとしても数年数十年という時間が必要でした。
でも量子コンピューターであればこの分子レベルの総合作用を一瞬でシュミュレートできてしまう。つまり新薬開発のスピードが何十倍何百枚にも跳ね上がるわけです。
これにより不治の病への治療法の発見、パンデミックへの即事対応、さらには個人に最適化されたオーダーメイド医療などが現実になり、さらには人体を細胞レベルで完全にシュミュレートすることができれば老化の仕組みを根本から解決し、老化を止める、または巻き戻すことも夢ではないのではないかと言われています。
金融や投資も激変します。投資におけるリスク管理って無数のシナリオを考慮する必要がありますので、これまではプロの推理に頼るしかありませんでした。
ここに量子コンピューターが参入するとどうでしょうか、ほぼ全てのパターンが同時に検証できるようになるわけです。
これにより超高精度な資産運用モデル、瞬時にリスクを回避する取引システム、世界経済の対局予想などが可能になると言われており、もう個人トレーダーがチャートに張り付いて売買する時代は終わるかもしれないと言われています。
さらに量子コンピューターは地球環境自体をも大きく変えてしまうんではないかと期待されています。今世界中はSDGsという共通のゴールに向かって歩み始めています。
例えば温室効果ガスの主半だとも言われるCO2の排出をどう抑えるか、石炭や石油といった化石燃料からの脱却、そして脱つ原発を視野に入れて再生可能エネルギーの開発に、本気で取り組んでいますが、なかなか効果は出ません。
ここで量子コンピューターを使っ、材料の分子構造や電子の動き方など電子レベルで完全に計算シュミュレーションすることができれば超効率的な太陽電池の開発夢のようなバッテリー素材、地球シュミュレーションなど、SFのような未来技術が次々と現実となり、環境問題が大きく改善、地球がこれ以上壊れていくのが止まる可能性もあります。
そして人類最大級の革命になるだろうと言われているのが量子AIつまり量子コンピューターとAIの融合。これちょっとやばそうでしょう。量子コンピューターがAIの学習に参入すると、これまで数ヶ月、数年かかっていたような学習が一瞬で完了できてしまうかもしれない。さらにすごいのは量子コンピューターは今AIが苦手とする非形で複雑な問題、例えば人間の感情の変化や社会全体の行動予測、さらには新しい物理法則の発見など、AIの脳にこういった新しい次元の思考回路を提供できる可能性があります。
そこで生まれるのが量子AI。つまりAIが量子脳を持つようになります。これは人類の歴史を大きく塗り換える可能性があります。
例えば病気の発生を未然に計算し完全に防いでしまう、医療AI。リアルタイムで都市全体の交通量を最適化する図脳を持ったAI。
都市学習データから最適な教育法を見つける個別最適AI教師。地震や気候を予想するシステムなど、これらが次々と現実身を帯びてきます。
これ量子脳を持つAIが暴走したら、制御できなくなってしまいますよね。
まさにターミネーターの世界。ちょっと怖い気もします。
便利になる時はその裏では必ずリスクもついてきます。もちろん量子コンピューターだっていいことばかりではありません。
ここからは、ちょっとだけシリアスな話をさせてください。量子コンピュータが実用化された時1番初めに起こる大事件。
それは一体何か?実はインターネットの世界が崩壊すると言われています。
と言いますのも、現在我々が使っているクレジットカード決済・オンラインバンキング・スマホアプリのログイン・電子商取引・仮想通貨のデジタル取引など、ネット上のありとあらゆる通信は公開方式という通信の暗号化技術で守られています。
実はこのRSA暗号って今でも素数分解すれば解読可能なんです。
因数分解とは60は2×2×3×5だよとか、そういう素数にばらしていくことなんですが、ただしめちゃくちゃ時間がかかるから現実的ではないです。
例えば300桁の数字を素数分解しろこのように言われたらスーパーコンピューターを使っても数千年かかるんです。だからこそ理論的には、解読できるんですけれども、どうせ無理だよね。とこのような運用だったんですが、物理学者のピーター・ショアの考えたアルゴリズムを走らせると、この素数分解が一瞬で解けてしまう。
つまり世界中の通信は丸裸・仮想通貨のコインは流出・クレジットカード番号や銀行の暗証番号・メールアカウントのパスワードなどは全て筒抜けけになってしまいます。
さらには、悪意のある人間が量子コンピューターを使って金融システムや、インフラ・政府機関を攻撃し出すと世界は大混乱に陥る可能性があります。
ですから今、量子コンピューターでも破られないように設計された新たな暗号化方式・ポスト量子暗号というものも同時に開発が進められています。特にアメリカ国立標準技術研究所NISTでは世界中の頭脳を集めてこのプロジェクトを進めています。
もちろん日本企業や大学も参加しています。ただし、この開発が成功したとしても成功しただけでは意味がないんです。
今ある世界中のインターネットインフラをそっくりそのままこの新しい暗号化に入れ替えなければなりません。移行には巨大なコストや長い年月がかかります。
つまり今は量子コンピューターの研究とその悪用を止めるための新しい技術開発、これの競争みたいになっています。
あとやはり怖いのが、量子AIの暴走。
今のAIですら我々の人類を超えた存在になりつつあるのにそれを超える量子AIが、もし自分の意思で動き出した時、はたして人類はそれを制御することができるのか。
もしできなかったらどうなってしまうのか。
だからこそ量子コンピューターとAIの融合は非常にゆっくりとかつ慎重に進めていく必要があるんじゃないかと思います。
アイル・ビー・バック (; ・`д・´)っ/