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メリデール


ブロムシュテットさんの言葉 ブルックナー第9番

前回に続いて、ブロムシュテットさんの言葉です。
オーストリア、聖フローリアン修道院(ブルックナーの墓所)にて。

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ブルックナーと交響曲第9番について
(2024年 Herbert Blomstedt)

彼はこの教会で、聖歌隊員とオルガン奏者として育ちました。
彼の生活の中の音響的環境は、基本的にこの教会にありました。

しかし、彼の交響曲は教会の音楽ではありません。
もちろん深い信仰心は隅々まで感じられますが、典礼音楽からの直接の引用はありません。
彼の教会音楽は委嘱作品のみです。
教会の音楽家で敬虔だった彼が、なぜ宗教曲にしなかったのでしょう。

彼の理想はベートーヴェンの交響曲で、同じく第9番まで交響曲を作曲しました。
教会の信徒だけではなく、より多くの聴衆に届けたかったのです。

彼の交響曲は、ここ(聖グローリアン修道院)さながらに、ゆったりと響くべき音楽です。
時間をかけて曲の主題が展開し、何かが終わっても余韻が残ります。
しばしの休止があり、長めの休止さえ挟めるのも、ここの長い残響の影響です。

(交響曲第9番は)好んで演奏する作品です。
緩徐楽章である第3楽章はすばらしい締めくくりで、終結を強く感じさせます。
いくつかの点で、最も感動的な交響曲です。

未完に終わったからでもあります。
彼はとても悩み、輝かしい最後を生み出そうとしましたが、果たせず亡くなりました。
第3楽章が、彼の最後のメッセージとなることを、彼は無意識に知っていたと思います。

全交響曲中、最大のクライマックスでこの楽章は終盤を迎え、素朴な旋律がいくつか引用されます。
初期のミサ曲の一節も聞こえてきます。
”我らをあわれみたまえ 主よ”
ブルックナーは、自分の偉大さの認識においても、謙虚な人でした。

心を打たれます。

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(NHKの翻訳です)

私は、昔、幸いにも、世界的なブルックナー指揮者、朝比奈隆さんの、最晩年のコンサートに行くことができました。
交響曲第8番です。素晴らしかったです。
うーん、朝比奈隆さんの第9番も聴きたかったです。
そしてブロムシュテットさんのコンサートにも行きたい^^。




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