夢
- カテゴリ:小説/詩
- 2025/06/07 21:48:44
寝返りを打つたびに
私の夢は
名も知らぬアフリカの楽器のように
カランコランと不思議な音を立てる
子供のころはもっと軽やかな響きを
立てたような気がする
年を取るにつれて
どこかあいた穴から転がり出てしまったらしい
ある日、耳を済ませるとかすかにサラサラ音がする
夢はどこにも行っていない
夢は限りなく割れ続けて小さな砂になっていくらしい
人は夢の入れもの
子供のころのいくつもあった大きな夢は
やがて壊れて小さな砂粒になっていく
たとえすべてが壊れて砂浜になっても
地下水を呼び集め、誰も知らないオアシスを作ろう