Nicotto Town


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叶わぬ人魚の恋の行き先は 第9話


目が覚めて、彼女の姿を見て僕はびっくりした。なんと彼女は裸だったのだ。


これは、まずい。僕は朝一番、そんなことを思ったのだ。
彼女に着させる服を買わなくては。でも、お洋服屋さんはまだ開いていない。開くまでの時間、どうしようか。

僕は一旦、彼女を家につれて帰りお風呂に入らせた。とりあえず、僕があまり着ていない洋服を彼女に貸した。
彼女はお腹が空いていたようで、僕の朝ご飯を半分、彼女に分けた。彼女は喜んで食べてくれた。

何があったのか、彼女に聞いた。すると彼女はこう答えた。
「実は、お父様と大喧嘩してしまい家出をしました。何も持たず、行ったので洋服も食べ物もないのです。」

続けて、「行く宛もなくて困っていたので、あなたに助けを求めました。お風呂を借り、美味しい食べ物をいただく事ができました。洋服も貸していただけたので、暫くの間困らなくて済みそうです。」と言った。

元いた世界に帰らなくて大丈夫なのか。僕は聞いた。

「はい。帰るつもりはございません。返っても、お父様にまたしかられるだけです。」という返事が帰ってきた。

帰るつもりはなくても、お父様や他の人魚たちは心配しているだろう。
明日の朝一番で、海に帰すべきか。
それとも、彼女と一緒に元の世界に行きお父様に事情を説明するべきか。

今、僕自身が出来る最善の選択を考えている。考えた結果、僕はこう結論を出した。

「わかった。とりあえず、今日1日は僕の家にいてもいい。ただ、明日の朝になったら僕と一緒にお父様のところへ謝りに行こう。
君は元いた世界に帰るべきだ。お父様をはじめ、他の人魚たちも心配してるよ。」と言った。

彼女は最初は元いた世界に帰ることを渋っていたが、僕が一緒にお父様の所へ行くということで納得した。

彼女は元いた世界に帰り、お父様に謝れるだろうか。心配になったが、彼女なら大丈夫だろう。

僕は明日の朝に備えて、早めに寝ることにした。


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2025/07/07 21:41
次の次こそクライマックス…?



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