山は呼んでいる 前編
- カテゴリ:自作小説
- 2025/08/19 17:16:43
(昔の私のオリジナル小説です。現実、おかしなところがあるでしょうがそこは寛大に容赦を。)
時は高度成長と言われた時代。農家を捨て多くの若者が都会にあこがれて離散して
冴子と俊夫は幼馴染の恋人同士。ある日そんな冴子にショックな出来事が起こります。
町工場に勤めていた俊夫が東京へ出るとい出して…
「どうして…おじさんやおばさんはどうなるの?」
「まあ何とかうんと言ってくれた、…何もそんな嫌な顔するなよ、俺の愛は東京へ行っても変わらない!」
「でも…東京の人はきれいだし…」
俊夫は熱い求愛を残し、結局村を離れ去ってしまった。口訳素通りすぐ熱烈な手紙が届いたが… それもいつか時の流れと共に間断になり…
日々は長り… 俊夫は盆にも正月にも姿を見せなくなっていた。
そんなある日俊夫の親友でもあり、良き相談相手でもある昭雄が声をかける。
「一度東京へ遊びに行かないか」
村の青年団をしている豪放磊落な若者である。
冴子の気持ちを汲み取っての呼びかけである。
ワイワイガヤガヤ、東京への遊びに楽しむ仲間たちと共に冴子も出かける。
祖冴子に昭雄がそっと、
「俊夫の住所を知っているんだろう? この機会にちょっと行ってみよう」
東京の大学へ行き、母親が東京での昭雄はかなり東京の地理にはたけていた。
一路昭雄は冴子を俊夫の住んでいたところへ…
「ここからすぐ先みたいだな、俺はそこの喫茶店で待っているから行ってみろ。俺がついて行ってもいいがへんな勘違いをされちゃ困るからな」と昭雄苦笑い。
ドキドキ、不安を胸に冴子は言われた通りに俊夫のアパートへ。
アパートはすぐ見つかったものの建物の前で立ち止まり…足が出ない…
あたりはしんとして閑散。
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