オイラは兄貴に秘密にしてることが一つある

ずーっと昔、オイラは兄貴と出会ってたこと

オイラも兄貴も今の姿じゃなかったけど

その時間は本当に楽しくて楽しくて

でもある日

兄貴は、オイラを守って死んだ

人間も動物もなにかをやり残したり、言えなかったり

未練があると

同じ魂を繰り返すんだって「光る人」が言ってた

あれから数え切れないほどオイラは何度も魂を繰り返した

生まれ変わっては探し、生まれ変わっては探し

いつか逢えると信じて

そのことだけを信じて

時にはくじけそうになったけど

オイラは兄貴にお礼が言いたくて

たった一言、あの言葉が言いたくて

でも全然逢えなくてもう諦めかけた時…

(まだ産まれて間もない頃のペロが悪ガキ達に虐待され殺されかけている)

兄貴は突然オイラの前に現れた

(その悪ガキ達を一瞬で蹴散らす龍次)

もう大切なものを失うことのないよう

兄貴は誰よりも強くなって・・・

あの時のように後悔しないよう

オイラを守って余りある程に・・

誰よりも強く・・・優しい手で・・・

オイラを見つけてくれた

そして「この世界」にきてオイラは「言葉」をもらった

きっとすごく頑張ったご褒美なんだと思う

あの時言えなかった言葉(後悔)をやっと言える…

ペロ「あ、兄貴っ！あ、あのね…」

龍次「・・・・・その言葉(先)は言うな」

ペロ「・・・え？」

龍次「わかってるからよ」

ペロ「・・・」

龍次「オレらずっと一緒だろ」

ペロ「・・・・(涙)」

龍次「オレはもう死なねぇから安心しろ」

ペロ「・・・・はいっス！・・・えへへ」

兄貴は全部わかってた

オイラの言いたかった『言葉』も・・

何もかも…全部…

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