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実効性なく百害有の条例?:豊明市 スマホ使用制限


せんだってから話題になっていた、スマホの使用制限「1日2時間」の条例案が とうとう議会に提出された。


スマホ「1日2時間」条例案を提出、愛知・豊明市が全国初…乳幼児の長時間使用など事例受け(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ba35de579140a422b36e81fa9989b401b5fe8b3e
8/25(月) 11:59配信

 愛知県豊明市は25日、(1)市民を対象に、仕事や勉強以外の余暇におけるスマートフォンやタブレット端末の使用について1日2時間以内を目安とする条例案を、同日開会した市議会定例会に提出した。市によると、全市民を対象に時間を明示した「スマホ使用条例」は全国初という。施行は10月1日。(2)条例に強制力や罰則はない

 市は、子どもがスマホにのめり込んで過剰に使ったり、親が乳幼児に長時間使わせたりする事例を把握し、スマホの適正利用に向けて条例制定を決めた。

 条例案には睡眠時間の確保のため、子どもの使用について小学生以下は午後9時まで、中学生以上は午後10時までを目安とすることも盛り込んだ。使用時間や時間帯は睡眠時間に関する国のガイドラインなどを参考にした。ゲーム機器やパソコンも対象とし、(3)家庭でのルール作りを推奨する。

 小浮正典市長はこの日の市議会で、条例案について「スマホが便利で欠かせない生活ツールであることが前提で、(4)市民の権利を制限したり義務を課したりするものではない」とした上で、「適正使用を全ての年齢層の市民に呼びかけることで、各家庭が考えるきっかけになれば」と述べた。

※太字と()は私がつけました

 

・・・・・・

1970年代、すでに「知多方式」と言って、愛知県では、ギリギリと子供を締め上げる管理教育が有名だった。

岡崎のように 良い意味で教育熱心な地域や、名古屋市のように 図書館ネットワークにより、対象者の属性を問わない市民への図書館活動を熱心に行っていた良い側面もあるのだが、義務教育校での管理体制と罰則の厳しさがきつかった。

だから 豊明市で「スマホ使用条例」が提案されたり もしかしたら可決されても不思議はないのだけど、実効性に乏しい どちらかと言えば 家庭のしつけ・倫理規定を条例化することの危険性を少し述べたい。

◇ ◇

●「強制力や罰則規定のない」=法令としての実効性のない条例を制定する危険性

・なぜ 日本では 法規が徹底せず、やり逃げ・やったもん勝ちの風潮が改善しないのか。

それは 実効性のない法規・条例が多すぎるからである。

「この条例は 努力目標・モラルを示すものだから罰則規定を設けません」そんないいわけばっかりして、実効性のない法規を作るから、

「法をまじめに守る者は馬鹿を見る」

外国人や無法者ほど、法規を無視して好き勝手して、つかまっても 嘘・言い分け・差別とごねて逃げおおせる

それは 外国人から見れば 日本の法令・放棄など守る必要もない代物とみなされるからだ。

そういう 日本国の無法化、外国人による不法行為の跋扈がひどくなる一方なのだ。

◎日本国憲法および教育基本法においては、子供の監護責任と教育権は 保護者にある。

いいかえるなら、スマホ利用の指導・監督もまた 親の責任であるとともに保護者の裁量権の一部なのである。

それを 条例で規制している(問題1)

しかも、小学生や夜9時まで、中学生はよう10時までと使用時間を定めているが、これは完全に家庭内の いわば外部の人が侵入できない「家」の中での行動の規制なのである。

ならば 条例違反をいかにして見つけるのか?

教師や ご近所の大人が 子供達が持つスマホを取り上げて、その履歴を調べて、条例違反だ!と告発したり「指導」と称する「いたぶり=脅迫・威圧・威嚇・説教という名の拘束・スマホの取り上げ(強奪)」等を行うことを正当化するのであろうか?

あるいは 仮にゲームを戦略的に短時間で攻略する子がいれば「あいつは きっと条例違反で夜もスマホゲームをやっているに違いない」と言いがかりをつけてつるし上げをする口実として利用するのか?

●つまり、この条例が可決されれば、地域において立場の弱い家庭と子供をターゲットにした、私生活への干渉とリンチが起きる危険性が高い

(これは 私が名古屋市で実際に体験したこと、また大阪府下の複数の所属校で日常的に見分した子供達とPTAの事例をもとにした 確固たる推測である)

●個人の通信の秘密(憲法)や学習の自由を踏みにじる行為を正当化する危険性

太字(1)の部分にあるように、1日2時間以内の制限の中に「仕事や勉強」による使用を除外している。

しかし 画面をのぞき込んだり、履歴を見ないと、スマホやタブレットの使用が 「仕事・勉強」関連なのかそうでないのか判別できない。

・機密性の高い仕事、プライバシーにかかわる通信をしていても、「条例違反でないか点検する!」と言われたら、強制開示させられるのか?

・この世の中には マンガやクイズ形式でで知識提供や学習活動っぽいことをやっているサイトも多い。

(私個人の感覚では 勉強するなら他の方法があるだろうにと思うが それは口にせず我慢している)

この手のサイトの中には かなりゲーム性が強いものもある。そこで提供されるコンテンツの質で それが教養・啓発目的なのか、学習を装った課金ゲームなのかの判別を私はしているが、

子供達の遊び方を見ていると、要(かなめ)となるコンテンツ部分をスルーして遊び部分に熱中している子もいれば(大多数)、遊び部分をスキップして コンテンツだけを拾っている子もいる(まれにはw)

はい、この場合 この子は 学習目的でスマホ類を使っているのでしょうか?ゲーム目的でしょうか?

その判別はその場にいる大人の私的感情もしくは指導者としての資質にゆだねられる。でも その大人の資質が一般的には問われることなく、子供達は 周囲にいる大人の恣意的言動によって虐げられたり、差別されることになってしまう。(私の実体験とスーパーバイズのための指導現場観察の経験から)

・善意に解釈すれば、「条例があるからxxしなさい」と親が子供に注意しやすくなる(太線4)を狙っているのだろうが、

そもそも 大人(親)が 余暇でスマホの使用2時間までに従えないであろう人が増えている状況で、その人たちの子供、つまりスマホの使用制限が必要そうな子供らの生活改善につながるだろうか? 非常に怪しい

・それこそ 密告と嫌がらせ、ギスギスした人間関係と

不公平感・不満による鬱屈した雰囲気の立ち込める豊明市になるのではないか? という気がしてならないのだけど。

・あげくにPCを購入できる人(条例対象外)へのやっかみが蔓延するだけでは? という気がもする。

 

ちなみに 睡眠障害、長期連用による「目」に対する負担は、スマホ・タブレットもPCも 大した差がないように私は感じている。

(というか 長時間効率的にネット活用するには スマホ類よりPCが最適と感じてPCを愛用している私ですから、PC使用による肉体的負担も実感しておりますw)

◎結論

(太字4)にあるように、市民の権利を制限したり義務を課すものではなく「市民への呼びかけ」を目標とするのならば、条例ではなく 「市民憲章」にすればよいのでは?

#日記広場:ニュース

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2025/08/25 14:17
(本文の続き)
市民憲章:市民の精神的な心得

自治基本条例:(自治体運営の基本事項を規定する)法令=市民の権利や責務を規定する法令

・つまり 法令である以上、違反者は検挙の対象 当然 罰則規定も必要なのである。

 一方、市民憲章なら、「市民の健康を守り、子供達の健やかな成長を促すために、~しましょう。」と
広く市民に呼び掛けるのもOKなわけです。


そもそも 「市民の権利を制限したり義務を課したりするものではない」(太字4)を条例として提案することそのものが、間違った行為なのだ。

 「条例とは 法令の一部である」「法令の要件・法規とはなにか」という 法学の基礎の基礎がわかっていない人達が 議員となって 条例案を提出していることそのものに 豊明市の議員とその者たちを選出した市民の知的レベルの低さ 「法令順守の意味が分かってない=社会人としての基本的要件の欠如」が表れていると、バカにされても これはもう仕方のないことであろう。

(実際には、豊明市の問題議員たちのみならず、「法と法令の違い」(大学一般教養レベル)のことがわかっていない人が多すぎるのが 問題なのだけど。 
 (私も だんだん記憶がうすらいでいるのでネットで検索して↓で確認しましたが)

参考
https://www.e-rumoi.jp/content/000003274.pdf 基本条例(解説書)2007年2月1日版
 市民憲章と自治基本条例の違い




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