【イベント】ソロキャンイベント Vol.3
- カテゴリ:自作小説
- 2025/10/22 21:55:35
やっぱり、此処のキャンプ場はいいな…
広いし、芝生エリアも、ドッグランまである。
それに何と言っても、海が近い、しかも山の裾野にあるんだからなぁ…
俺はすぅぅっと、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。
いい天気だ…
「せんぱいっ! ここ めちゃいいですよね!」
キャンプ場の空気に浸りきっていた俺を、ややこしい現実に引き戻すような声が後頭部に響いてきたんだ。
「なんでこんなキャンプ場を知ってたんですかっ! しかも私に内緒でぇぇぇっ」
うるさいよ 後輩女子(笑)
じつは ここは割と知られていないけど、いいキャンプ場なんだ。
俺は学生時代から、ソロキャンで時々来てた、「天使坂」って名前のキャンプ場なんだ。
海沿いに位置して、しかもコテージも最近設置して、
そのうえ、天然温泉まで昨年発掘して。
なんだ?めちゃ理想のキャンプ場じゃねーか…
俺が利用していたころは、設備も貧弱で有名ってことでも無かったんだけど、ソロキャンパーの間では密かに知られていたとこでもあったんだ。
「すっごいいいですよココ! オートキャンプサイトが40 一般のテントサイトが最大で80、コテージが10… 理想ですよぉ!」
後輩女子、興奮しすぎだろ(笑)
「そうかw じゃここも候補地にあげとくか?」
俺はタバコを咥えて、風を避けるように手で覆いながらオイルライターで火を点けた。
「いぇ ここで決定でいいですっ!」
「早くねーか?」
「いえいえっ ここがいいですっ!」
後輩女子はもう夢中なんだな。
そりゃそうさ。
俺のとっておきの場所なんだから…
それは今から1週間前のことだ。
社内での企画書を上げるために、まずは場所決めからだって言うと
「せんぱい…おすすめのキャンプ場って あります?」
上目遣いに俺を見ながら、ややゆったりとした猫なで声で甘えてくる(笑)
まぁいっか…ってことでこの「天使坂」をお勧めしてみた。
「最大100台くらいの集客ができる場所で、しかもソロキャン・ファミキャン・車中泊って、希望がかなえられるのはここしかないかもな」
「もう最高です!気にいっちゃいましたよー!」
満面の笑みで俺を見上げてくる後輩女子。
「…で、ソロとファミリー、どっちも満足できる企画は思いついたのか?」
しれっと懸案の課題を口にしてみる。
(やっぱ俺は意地悪なのかなw)
後輩女子は
「そんなの後で考えたらいいんですよっ この景色、風…最高ですもんっ!」
後輩女子が海の方を見やりながら答える。
緩やかな風が、彼女の髪を靡かせている。
陽射しが逆光になって、彼女のシルエットからキラキラと輝きを飛び跳ねさせる。
「じゃ 今から会社に戻るぞ。企画をきっちり練り上げないとなっ」
俺は踵を返して社用車の方に向かっていく。
「わかりましたっ!最高の企画を出して見せますよっ!」
後輩女子、急いで俺の後についてくる。
ん
ちょっと頼もしくなったのかな?
俺は振り向いて、彼女を見やった。
その時だった。
「せんぱい… 頼りにしてますよっ 色々教えてくださいね~~」
俺は膝から崩れ落ちそうになったんだ(笑)
(続く
最後まで読ませてね~(^^♪
せんぱい、頼りにしてますよっ
「天使坂のソロキャン」で検索したら、けーすけさんの自作小説がでてきたぁ~2021年作だぁ。
これは、時間と気力を作って読まねばw