Nicotto Town


あなたに会えてよかった♪


【イベント】ソロキャンイベント Vol.4


「ほうほう… ソロキャンのお客と、ファミキャンのお客の融合企画か…」


会社に戻って、3時間ほど経過。
俺はインスタントコーヒーを沸かしたお湯で溶かし、タバコふかしながら喫煙室で一休みしていた時だった。

実は あま~いコーヒーが好きなんだよな(笑) 俺って。
角砂糖を、普段は2個、そして取っておきの場合のみ、3個入れて楽しむのが密やかな娯楽だってんだ。


「あのぉ… こんな企画はどうですか?」
後輩女子が喫煙室のドアを開けて、恐る恐る俺に企画書を差し出す。
なにやら自信なさげだな?オマエ(笑)


「ん…早いな。2~3日かかるんじゃないかって思ってたけどさ…」

灰皿に吸い殻を押し付け、彼女から受け取った企画書に目を通してみたんだ。


「…どうでしょう…?」

上目遣いに俺の方を見てくる後輩女子。
俺はざっと企画書に目を通して、ちょっと肩を竦めてみた。

「ほうほう… ソロキャンのお客と、ファミキャンのお客の融合企画か…」
「はい。やっぱりキャンプの醍醐味って、現地での触れ合いだと思うんですよね。ソロキャンパーとファミリーキャンパーが、接点持てるイベントって考えてみたんですけど…」

「却下」

後輩女子は目を見開いて

「えっ だめですか…?」

俺は無言で、企画書を彼女に突き返す。
「全くダメだな…オマエの企画、ファミキャン視点しか考えてないだろ?」
「…」

「ソロキャンパーとファミリーキャンパーの触れ合いってさ、ファミキャンパーの火おこしをソロキャンパーが手伝う? キャンプ飯をソロキャンパーが教える? テント設営を手伝う? これってソロキャンパーに何のメリットも無いじゃないか?」

「いえ ソロキャンの人って、孤独だからそう言ったレクチャー通していろんな出会いを…」

「ソロキャンパーってさ、基本的に他のキャンパーとかかわりを持ちたくないんだよ。だからわざわざ一人でキャンプしてんだろ?」

「あ…」
後輩女子、目からうろこッて表情になったんだ。

「ただし、そうゆー『教え魔』のソロキャンパーも、一定数いることはいる。ただし、おおむねコミュ障だから、誰かほかのキャンパーに教えるとか、協力するとかってハードルが高いんだ」

「そうなんですね…」
しゅん とした様子の後輩女子。 俺はちょっとキツく言い過ぎたかもって思いつつ、でもきちんと教えておかなきゃと 心を鬼にして

「ソロにもファミにも、満足できるような企画じゃないとだめだな。 あと、予約方法だけどさ…宿泊を伴う場合は旅行業法が適用されるから、会社のHPで予約ってのは違反になる」

「え、そうなんですか…?」

「だから旅行代理店をかませなきゃだめだぞ。あと、イベントでキャンプファイヤーってなんなんだ? 中学生の林間学校じゃあるまいし、こんな企画で乗ってくるお客がいると思うか?」

負と彼女を見やった。
肩を震わせ、ベソかいてるような後輩女子。

やっぱ厳しすぎたかな…

気まずい時間が流れていったんだ。


そして、いくばくかの時間が流れ、何となく気まずい空気になってきた時だった

「モウイッカイ…」

ん? なんだ?

「もう一回、練り直します企画っ! だから、また、見ていただけますかっ?!」

俺はやや驚いて、彼女を見やったんだよ。

さっきまで、しゅん としてた後輩女子が、キッとした眼差しで俺を見て、

「練り直してきますっ!」
そう言い捨てると、踵返して喫煙室からダッシュで出ていったよ。

ほうほう…
見込みあるかもな コイツ

(続く





#日記広場:自作小説

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2025/10/24 07:45
却下!!
少しヒントを与えてあげても…と思っちゃったけど
後輩ちゃんを育ててる感じかな。。。
良い企画案を持ってきてくれるといいよね。
アバター
2025/10/23 23:24
女の子、いじめたらいけないんだぞw




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