【イベント】ソロキャンイベント Vol.4
- カテゴリ:自作小説
- 2025/10/23 22:04:57
「ほうほう… ソロキャンのお客と、ファミキャンのお客の融合企画か…」
会社に戻って、3時間ほど経過。
俺はインスタントコーヒーを沸かしたお湯で溶かし、タバコふかしながら喫煙室で一休みしていた時だった。
実は あま~いコーヒーが好きなんだよな(笑) 俺って。
角砂糖を、普段は2個、そして取っておきの場合のみ、3個入れて楽しむのが密やかな娯楽だってんだ。
「あのぉ… こんな企画はどうですか?」
後輩女子が喫煙室のドアを開けて、恐る恐る俺に企画書を差し出す。
なにやら自信なさげだな?オマエ(笑)
「ん…早いな。2~3日かかるんじゃないかって思ってたけどさ…」
灰皿に吸い殻を押し付け、彼女から受け取った企画書に目を通してみたんだ。
「…どうでしょう…?」
上目遣いに俺の方を見てくる後輩女子。
俺はざっと企画書に目を通して、ちょっと肩を竦めてみた。
「ほうほう… ソロキャンのお客と、ファミキャンのお客の融合企画か…」
「はい。やっぱりキャンプの醍醐味って、現地での触れ合いだと思うんですよね。ソロキャンパーとファミリーキャンパーが、接点持てるイベントって考えてみたんですけど…」
「却下」
後輩女子は目を見開いて
「えっ だめですか…?」
俺は無言で、企画書を彼女に突き返す。
「全くダメだな…オマエの企画、ファミキャン視点しか考えてないだろ?」
「…」
「ソロキャンパーとファミリーキャンパーの触れ合いってさ、ファミキャンパーの火おこしをソロキャンパーが手伝う? キャンプ飯をソロキャンパーが教える? テント設営を手伝う? これってソロキャンパーに何のメリットも無いじゃないか?」
「いえ ソロキャンの人って、孤独だからそう言ったレクチャー通していろんな出会いを…」
「ソロキャンパーってさ、基本的に他のキャンパーとかかわりを持ちたくないんだよ。だからわざわざ一人でキャンプしてんだろ?」
「あ…」
後輩女子、目からうろこッて表情になったんだ。
「ただし、そうゆー『教え魔』のソロキャンパーも、一定数いることはいる。ただし、おおむねコミュ障だから、誰かほかのキャンパーに教えるとか、協力するとかってハードルが高いんだ」
「そうなんですね…」
しゅん とした様子の後輩女子。 俺はちょっとキツく言い過ぎたかもって思いつつ、でもきちんと教えておかなきゃと 心を鬼にして
「ソロにもファミにも、満足できるような企画じゃないとだめだな。 あと、予約方法だけどさ…宿泊を伴う場合は旅行業法が適用されるから、会社のHPで予約ってのは違反になる」
「え、そうなんですか…?」
「だから旅行代理店をかませなきゃだめだぞ。あと、イベントでキャンプファイヤーってなんなんだ? 中学生の林間学校じゃあるまいし、こんな企画で乗ってくるお客がいると思うか?」
負と彼女を見やった。
肩を震わせ、ベソかいてるような後輩女子。
やっぱ厳しすぎたかな…
気まずい時間が流れていったんだ。
そして、いくばくかの時間が流れ、何となく気まずい空気になってきた時だった
「モウイッカイ…」
ん? なんだ?
「もう一回、練り直します企画っ! だから、また、見ていただけますかっ?!」
俺はやや驚いて、彼女を見やったんだよ。
さっきまで、しゅん としてた後輩女子が、キッとした眼差しで俺を見て、
「練り直してきますっ!」
そう言い捨てると、踵返して喫煙室からダッシュで出ていったよ。
ほうほう…
見込みあるかもな コイツ
(続く





























少しヒントを与えてあげても…と思っちゃったけど
後輩ちゃんを育ててる感じかな。。。
良い企画案を持ってきてくれるといいよね。