季節の変わり目
- カテゴリ:日記
- 2025/11/02 08:13:27
ウィンタータイムが始まった。
”spring forward, fall back“というフレーズを思い出しながら、アナログの腕時計を1時間戻します。午後三時から空も街も真っ暗になる冬めく。日が短くなりますね。
そういえば、暗くなると猫の目は光りますよね、それは夜行性(nocturnal)や薄明薄暮性(crepuscular)動物特有のもので、網膜の後ろにあるタペタム・ルシダム(Tapetum lucidum)という反射層が作用しています。鏡みたいに光を跳ね返してもう一度網膜の視細胞(photoreceptor cell)に当て直し、少ない光の環境でも見えるようになるんです。カメラのフラッシュや光源の反射光により猫の目はいろんな色に光ります。
多くの夜行性哺乳類は金色や黄緑色のタペタムを持っていますが、面白いことに、北極のトナカイは違うんです。季節によってタペタムの色が変わります。冬の極夜では、トナカイの瞳孔は光量不足で開き続けると、眼圧が上がり、タペタムのコラーゲン繊維が圧縮されます。通常は黄色の長い波長を反射しますが、繊維間隔が狭まると青色の短い波長を選択的に強く反射するようになります。雪の青散乱光を効率的に利用して食餌を探すことができます。そのため、トナカイのタペタムは夏に金色、冬に青色と変わります。適応って不思議ですね!
トナカイの目はなぜこの緑内障に似た状態を可逆的にできたのだろうか。活性酸素種ROSへの耐性が気になりますね。

























