Nicotto Town


あなたに会えてよかった♪


【イベント】ソロキャンイベント Vol.9


「んーん… アイデアが出ません…」

俺の隣で、後輩女子が頭を抱えてる。
「だいいち、夏のキャンプイベント、あれだけ企画練ったのに失敗しちゃったし…」

仕事が終わり、俺はデスクを片付けてリュックを背負ったとき、背後から彼女が声を掛けてきたんだ。

「先輩… このあと、時間いいですか?」
「ん?」

「飲み、行きましょう」

俺はちょっと戸惑って
「オイオイ また酔いつぶれるんじゃないだろうなっ」
俺の中で、あの春の出来事は生々しく記憶に残ってるんだよ…

「大丈夫ですっ!相談したいこともありますし…」
「会社じゃだめなのか?」
「だめです!」

何でだめなのか分からないが、俺は仕方なく頷いて
「前の店でいいか?」


で、今になったってわけさ。
俺はすっごく注意払って、オーダーをセーブしてたつもりだ。
でも、やはりそれでもコイツはやっぱり…飲みすぎでへべれけ寸前なんだよな。
まぁ、コイツの自宅住所は事前にリサーチ済みなので、前回ほどのヘタレ感はないけどね。

「ソロキャンとファミキャンの連携もしっかりしたし、夜のイベントも、花火大会やカラオケ大会って、かなり頑張ったつもりですし…何がいけなかったんでしょう?」

俺は目の前に置かれた、お代わりの生ジョッキを手にしてひと口飲む。

「いや企画はよかったんだ。でも、それでも集客がなかったってことは…」

「はい…」

「俺もいろいろ考えたんだが… やはり、一番は時期かな。夏休み、しかも7月って一見いい季節なんだが、家族連れにとってはイベント競合するものも多い。テーマパークとか、外食とか、地域のイベントとかな。あと、やっぱり…雨も多いし… しかも暑いからな…」

「ですよね… それって最初から分かってたんですけど、会社の施策上仕方なかったですよね…」

後輩女子、いつもはスーツにスラックス(新人の基本的ビジネススタイル)なんだけど、今日は半袖の白いニットに、膝上のミニスカート姿。
ようやく会社に慣れてきたんだなと思いつつ、
でもスツールに座ると、暴力的な勢いのナマ足がイヤでも俺の視界に入ってくるのには閉口だった。

「あとは、マーケットだな」
「マーケット…?」
彼女は不思議そうに俺を見る。

「そう。ソロキャンとファミキャンを合体ってとこに目を付けたのは良かった。でもキャンパーって他にもいるんだよ」

「そうなんですか?」

「例えば、グルキャン。数人の中の言いキャンパーが一緒にキャンプして楽しむってスタイルのマーケットもかなり多いんだ」

後輩女子、はっとして
「そう言えばそうですね!私もそうゆうの好きですしっ! あ、そうだ先輩!今度一緒にグルキャンしませんか?」
にまっと笑って、酔いに頬を染めた彼女がそう言って。

「あとは…」
「あれ…先輩、返事は?」
「うるさい酔っ払い!」


「車中泊キャンパーだ」

後輩女子、ちょっと、きょとんとした表情になって

「車中泊… ってキャンプとはあんまり関係がないんでは…?車中泊ってクルマの中で料理とかするんでしょ?」

「それもあるが、車中泊キャンパーの中には、外で炭とか使ってバーベキューする人も多いんだ。しかもその手間を楽しむ人もいるが、多くは『メンドクサ』って思ってるんだよ。 案外な」

後輩女子は、うーん…と唸ってナマ足を組んで。
だから、そうゆー刺激的なポーズはやめろってんだよ…(-_-;)


「分かりました!ターゲットを広げるってことですね!それからいろんなカテゴリーのキャンパーたちにめっちゃアピールする企画を練り直すってことですよね!」

「そうだな…」
俺も、今まで自分で思いつかなかった案が頭の中をピカピカと噴き出してくる気がした。
やはり一人で考えても、いい企画は出来ないってことだな。いいバディがいて初めてできるってことだなあって思ってさ。

あれ?
てことは…

コイツは、俺にとって『ナイスバディ』てことか?
(ナイスバディ… これは違う意味ぢゃねーぞ)

「秋の連休プラン、これで行きましょう! さー明日から忙しいっすよね!時間もないからっ」

一気に元気を取り戻した彼女。マスターに芋焼酎の水割りをオーダーするコイツを横目で見ながら、俺は思った。

(またコイツ、酔いつぶれちまわねーだろうなあ… と)

(続く

#日記広場:自作小説

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2025/11/11 23:47
はじめから読みなおしたんだけど・・・・
『俺』が誰なのかわかんない。
でも、自作小説だもんね。
実話じゃないんでしょ????
ココアは、迷走中です。




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