運命の糸の先
- カテゴリ:自作小説
- 2025/11/20 00:31:34
第十章
楽しみな事のある日々はあっという間に来てしまい、既にレンに会う日になっていた。仕事を終えた私はレンに連絡を取ってみる事にした。「レン?無事着いた?」「あ、アオネさん、夕方頃に着いて今荷解き中」「そっか」…何処で会う?と言う事が聞けずにいた私にレンは「アオネさん、良かったらだけど俺ん家来ない?」と誘ってくれた。「何処に行けば良い?」「それじゃあ、待ち合わせしよ」とレンは私を気遣うように言ってくれていた。待ち合わせ場所も決まり、職場からは然程遠くない場所だった。「分かった、それじゃあこれから向かうよ」「どの位で着きそう?」「多分15分位で着くと思う」「了解、それじゃあ15分後に」そう言って連絡を取り終えた。私はとても心が躍る様に…レンに久しぶりに会えるんだ…と一人でにやけてしまう始末だ。15分程歩いて待ち合わせ場所に到着した私は、レンを探し始めた。…あれ?まだ来てないのかな…私はレンへと電話をする事にしてみた。…「レン?着いたよ、レンはまだ?」と連絡を取ると、…「あれ?俺も着いたんだけど、アオネさんも着いた?」と返って来た。大きなオブジェがある場所だった為、お互いに反対方向へと着いていたらしかった。…「俺、海側だけど」…「あーなるほど、私反対にいる」と電話をしたまま、私は海側へと向かった。…「そこにいて」と伝えつつ海側へと向かう。…「あ、レン!」と彼を見付けて私は嬉しくなった。電話を切り、…「おーアオネさん!」と久しぶりの再会だった。…「久しぶりだね」…「うん、ほんと久しぶりとお互いに会話をしつつ…「俺んちこっから近いんだけど、行こっか」と言われ、何だか何も変わっていない様な彼に安堵感を抱きつつ、…「うん」と答えた私だ。彼の家までは3分程だった。直ぐに着いた私に彼は…「アオネさん、一緒に引っ越し蕎麦でも食べようよ」と笑いながら誘ってくれた。…「良いね、引っ越し蕎麦」と私迄笑顔が出てしまう。…「色んなチラシが入っててさ、蕎麦屋のチラシも確かあったんだよね」と、まだまだ荷解きの終わってない部屋を漁り始めた彼だ。…「良かったらだけどさ、レン?荷解き手伝おうか?」と聞くと、…「うわーすげー嬉しいっす」とにこやかに笑う彼がいた。…「おっけーじゃあ引っ越し蕎麦一緒に食べたら、荷解きしよか」と伝えた。…「ありがとうございます!」としっかりとした口調でお礼を言う彼が何だか私には不思議な感覚で面白くもあった。






























大きな障害を乗り越えた後は
小さなトラブルなんて すぐ乗り越えられますよね
今度はレンの部屋へ
展開が楽しみです