運命の糸の先
- カテゴリ:自作小説
- 2025/11/27 23:42:28
第十三章
…「レン?私もレンが好きだよ」そう伝え、お互いに抱き締め合い、…「俺達、両思いだね…はは」と爽やかに笑う彼につられて私迄笑ってしまっていた。…「アオネさんは離婚してないんだよね…?」と聞かれ、…「うん、別れたいって言ったんだけど、世間体を気にしてるのか承諾してくれなくてね…」…「そっか…」…「でも、きっと主人には女がいると思う」…「え?…最低じゃん」…「うん…私はもう主人とは関わってないよ」と伝えた。…「そっか…それじゃあ…アオネさん、俺の恋人になってくれない?」と唐突に言われた事に驚きを隠せず、…「…私、主人と別れてないんだよ…?良いの…?」と彼へと尋ねた。…「アオネさんの旦那さんだって、女いるじゃん、そんなのフェアじゃないよ」と彼は言ってくれた。…「そっか…そ、そうかもしれないね…」動揺を隠せない私を彼は抱き締めてくれて…「大丈夫だよ、安心して…俺がついてる」と言ってくれた。…何とも頼り甲斐のある言葉なんだろう…「ありがとう、レン」と彼の腕に縋る様に泣きながらしがみついた。…「アオネさん、今迄一人で色々抱えて来たっしょ」…私はレンの優しい言葉に泣き崩れ、言葉を発する事が出来ずにいた。…「アオネさんはもっと自分の為に泣いて良いんだよ」…「ありがと…レン…」言葉に出すのにはこれが精一杯だった私だ。泣きに泣き私はソファで眠ってしまっていた様だった。…「あ、アオネさん、起きた?」レンは私の傍にずっといてくれて居た様子である。…「大丈夫?アオネさん」…「あ、うん…大丈夫…ありがとね、レン」と彼へと伝えると、…「俺の大事なアオネさん」とハグをしてくれた。時刻は深夜の1時を廻っていた。…「レン、一緒に寝ようか」そう彼へと伝えると…「うん」と素直な言葉を貰い、…「それじゃあ、寝室に行こ」と彼を誘った。…「アオネさん?俺…何もしないから、安心してよ…キスしちゃったけど…」と少し気まずそうにしていた。…「レンには何故か安心感しかないから、大丈夫」そう私は答え、彼の手を取り寝室へと向かった。…「その前に煙草吸おうか」と私が聞くと彼は…「そだね」と答えてくれていた。





























