運命の糸の先
- カテゴリ:自作小説
- 2025/11/27 23:46:02
第十四章
二人でベランダへ出て、煙草を吸う時間…とても心地が良い…そう感じてしまう私に彼は…「何か…アオネさんと一緒に吸う煙草美味いや」そんな事を言ってくれていた。…「私もだよ」そう彼に伝え、深く深く煙を吸い込み細く長くゆっくりと煙を吐き出した。夏の夜空には綺麗な星が見えていた。…「夜空…綺麗だね…」そうポツリと呟いたのは彼の方だった。…「ほんとだね…」二人の煙が混ざり合う、そんな時間。…「アオネさん…俺、アオネさんに手は出さないけど、抱き締めるくらいしても…良い?」と気持ちの良い空気感の中彼は言った。…「うん、分かった」と私も彼の要望に応えるかの様に返事をした。彼は咥え煙草をし、私の背後へ回り私をそっと抱き締めてくれた。夏の空気感にピッタリの彼の香水がほんのりと香った。…「レン…良い香り…」そう伝えると、…「そう?ありがと、アオネさん…でもアオネさんも良い匂いするよ」と私の愛用のアナスイの香水を褒めてくれた。…「ありがと」と恥ずかしさを感じつつ、彼と私の香水の香りが交じり合っていた。…二人で居る事がこんなにも心地良い人初めてだ…。私は不思議な感覚に陥っていた。…「アオネさんといると何か…なんつーんだろ…すげー心地良いっつーか…」私と似たような事を思っている彼に少しばかり驚き、…「今、私も同じ事考えてたよ」と彼へと伝えた。…「本当?」そう聞き返す彼に対し、…「ほんと…信じて」と答えた。彼の腕が私を強く抱き締めた瞬間でもあった。…「レン…強いよ、ふふ」と彼へと告げた。…「あ…ごめん、アオネさん」…「アオネさんって細くて折れそうだよね…ははは」と彼は言っていた。…「そんな事ないよ、ふふふ」と笑ってしまった。…これから、私達の時間は増えて行くのだろうか…そんな事を考えずにはいられない夜だった。…「さ、一緒に寝ようか」…「うん」そうお互いに確認するかの様に言葉を交わした。美しい夜空の中でまたキスをした。





























