Nicotto Town



ひねりも何もなくとも、これが映画だよね

久しぶりに、「大鹿村騒動記」を観た。


朴訥と、何のひねりもない。
ただ心地よく時が流れる。

こんな時間に見終わって、安心して眠れる気がする。
こういう映画を観ると、素朴に「ああ、いい映画だな、映画っていいな」と、つくづく思う。
自分が齢54にもなるけど、恨みつらみもこれまでよと、映画の中の歌舞伎と同じように啖呵を切ってみたいものだけれど、なかなか現実はそうはいかず。そんなことを思うと、所詮は映画、ファンタジーだよと寂しい気分になるので、やめよう。

Huluで観たのだけれど、内容紹介で主要キャストとして13人の名前が並ぶが、主演の原田芳雄に始まり4人が既に亡くなっている。2011年の作品なので、公開から14年。そういえばエンディング曲は清志郎だから、それも入れると14人中5人がこの14年で昇天したことになるのか。

しかしまあ豪華な出演者。
よくもこれだけ集めたものだと、感心する。
原田芳雄にとっては、これが遺作。公開から数日後に亡くなっていて、撮影時には既に末期の癌だったわけだが、いつも通りの原田節。良い役者だよな、ほんとうに。いそうで何故かいない、こういう役者。

観終わって、安心して眠れると書いたのだけれど、実はそれは嘘。
こういう映画を観てしまうと、もっとなにか観たいなと思ってしまう。でも時計を見れば、もう4時。夏ならまもなく夜が明ける。新聞配達のバイクの音を聞かないと眠れなかった二十歳の頃のことを思い出してしまう。


そういうつまらない話はやめて、そろそろ寝る。
こういう時は、犬でも抱っこをして寝たいところだが、奥様のところで寝てしまっている。

まあいい。
ではまた。

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