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「七草粥について⑦」

*「食文化」と「鑑賞文化」の違いと考えると分かりやすい
春の七草と秋の七草の違いは、
・春の七草=食文化
・秋の七草=鑑賞文化
と考えると、非常に理解しやすくなります。
春は、新しい一年を健康に過ごすために体に取り入れる文化。
秋は、実りの季節を迎え、自然の美しさを味わう文化。
どちらも日本らしい価値観ですが、役割はまったく異なるのです。
この違いを理解しておくことで、七草粥という行事食の意味が、より立体的に見えてきます。
次の章では、春の七草を実際に使った七草粥の基本的な作り方について解説していきます。
 
「七草粥の基本的な作り方と失敗しないコツ」
七草粥は「シンプルな料理」と言われることが多いですが、実際に作ってみると、
「青臭くなった」
「水っぽくて味がぼやけた」
「子どもが一口も食べなかった」
といった声も少なくありません。
七草粥は材料が少ないぶん、下処理・火加減・塩加減が仕上がりを大きく左右します。
ここでは、伝統的な七草粥の考え方を大切にしながら、家庭で失敗しにくい作り方を順を追って解説します。
七草粥は「豪華に作る料理」ではありません。やさしく、食べやすく仕上げることが何より大切です。

*七草粥の基本材料(2人分の目安)
七草粥の材料は、驚くほどシンプルです。

・米:0.5合
・水:600〜700ml
・春の七草:1パック(市販の七草セット)
・塩:ひとつまみ〜少々
※だしは必須ではありません。

素材の味を大切にするのが、七草粥の基本です。

*七草粥の基本的な作り方
① 米を洗い、たっぷりの水で炊く
米は軽く洗い、分量の水と一緒に鍋に入れます。
最初は強めの中火で加熱し、沸騰したら弱火に落とします。ここで重要なのは、ふきこぼれを防ぎつつ、混ぜすぎないことです。混ぜすぎると、粘りが出て重たい食感になります。
② 七草の下処理をする
七草は、すべて同じように刻めばよいわけではありません。
・葉の部分:細かく刻む
・根に近い部分:硬い場合はさらに細かく
特にセリやナズナは香りが強いため、刻みすぎると青臭さが出やすい点に注意します。青臭さが気になる場合は、さっと湯通ししてから刻むと、食べやすくなります。

③ 火を止める直前に七草を加える
七草は、長く煮込まないのが基本です。
おかゆが炊き上がったら火を弱め、七草を入れて軽く混ぜ、30秒〜1分ほど温める程度で十分です。
煮込みすぎると、
・色が悪くなる
・香りが飛ぶ
・苦味が出る
といった原因になります。

④ 最後に塩で味を整える
塩は必ず最後に加えます。最初から塩を入れると、米が硬くなりやすいためです。七草粥は「薄味が正解」の料理なので、「少し物足りないかな?」くらいで止めるのがポイントです。

*よくある失敗例とその原因青臭くて食べにくい
原因の多くは、
・七草を煮込みすぎている
・刻みすぎている
です。特に子どもや高齢者は、香りに敏感な場合があります。対策としては、さっと湯通し+後入れを意識すると改善しやすくなります。

*水っぽくて味が決まらない
おかゆは時間が経つと水分が出やすい料理です。食べる直前に作るか、水分が多すぎる場合は少し火にかけて調整しましょう。

*子どもが食べてくれない
子どもが苦手に感じやすいポイントは、
・葉の苦味
・見た目の緑色
です。無理に食べさせる必要はありませんが、刻みを細かくする・量を少なめにするだけでも印象が変わります。
*だしは使ってもいい?
伝統的には、七草粥は白がゆベースが基本ですが、現代の家庭では、薄めのだしを使っても問題ありません。
ただし、だしを使う場合は、
・昆布だし
・薄めの和風だし
など、主張の強すぎないものがおすすめです。だしを使う場合も、七草の風味を消さないことが大切です。

*「うまく作ろう」としすぎないことがコツ
七草粥は、料理の腕を見せるものではありません。
多少水っぽくても、多少味が薄くても、一年の健康を願って食べることに意味があります。
完璧を目指さず、「今年も七草粥を食べられたね」と家族で話せる時間そのものが、七草粥の価値です。

「七草粥が苦手・食べにくいと感じる人への考え方」
七草粥は、日本の伝統的な行事食ですが、すべての人にとって「おいしい」「食べやすい」ものとは限りません。
実際に、
「味が薄くて物足りない」
「草っぽくて苦手」
「忙しくて作る余裕がない」
と感じる人がいるのも、ごく自然なことです。
七草粥は、無理をしてまで食べるべき料理ではあここでは、七草粥を「やめる・省く」という話ではなく、どう向き合えば気持ちがラクになるかという視点で整理します。
七草粥の本質は「形式」ではなく、体をいたわり、一年の健康を願う気持ちです。

*七草粥が苦手に感じやすい理由
七草粥が苦手と感じられる理由は、大きく分けて3つあります。
① 味が薄く感じる
七草粥は、もともと薄味が前提の料理です。塩分を控え、素材の味を活かすため、普段しっかり味の食事に慣れている人ほど「物足りない」と感じやすくなります。
② 香りや見た目が気になる
七草特有の香りや緑色は、子どもや感覚の敏感な人にとって「食べにくさ」につながることがあります。
③ 行事としてのプレッシャー「1月7日に食べなきゃ」
「作らなきゃ意味がない」
と考えすぎることで、七草粥そのものが負担になってしまうケースもあります。

*忙しくて作れないのは、珍しいことではない
現代の生活では、
・朝は出勤や登校で慌ただしい
・家族の予定が合わない
・そもそも料理をする余裕がない
という家庭も多いでしょう。
七草粥は、もともと無理をして守るための行事ではありません。
1月7日に食べられなかったからといって、縁起が悪くなるわけでも、意味がなくなるわけでもありません。

*「食べない」選択も間違いではない
体調や好みによって、七草粥を食べない年があっても問題ありません。
特に、
・胃腸が弱っていない
・おかゆが苦手
・別の形で体を休めている
という場合は、無理に七草粥を取り入れる必要はありません。大切なのは、自分や家族の体調に目を向けることです。

*「少しだけ取り入れる」でも十分意味がある
七草粥を完璧な形で作らなくても、
・七草の名前を知る
・1月7日に健康について話す
・胃腸を休める食事を意識する
といった行動だけでも、七草粥の本来の意味は十分に果たされています。七草粥は「義務」ではなく、一年を整えるきっかけとして考えるのが理想です。

*続けられる人だけが続ければいい文化
日本の行事食は、すべての家庭が同じ形で守ることを前提としていません。時代や暮らしに合わせて、続けられる人が、続けられる形で残していく。
七草粥も、そのひとつです。
「今年は余裕があるから作ってみよう」
「来年はまた食べようかな」
そんなゆるやかな距離感こそが、七草粥という文化を長く残していく力になります。次の章では、特に気になる人が多い子どもや高齢者が七草粥を食べる際の注意点について、もう少し具体的に解説します。

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