原子力規制庁職員 中国の保安検査で業務スマホ紛失
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- 2026/01/09 00:29:15
原子力規制庁の職員が中国・上海で業務用スマホ紛失 国の個人情報保護委員会に報告 (テレビ朝日系)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a77ca7ec02228baf4133ade09991283e10ad6d93
今回の原子力規制庁職員による業務用スマートフォン紛失事案は、中央省庁や政府内で定められている業務用端末の取扱ルールに照らすと、複数の点で重大な問題を含んでいると考えられます。
中央省庁における業務用スマートフォンは、単なる連絡手段ではなく、政府情報を取り扱う情報端末として厳格に管理されることが原則です。そのため、私的利用禁止など、利用や管理について基本ルールが定められています。特に海外での利用については、原則禁止または事前申請・承認制とされているケースが多く、高リスク国への持ち出しは強く制限されるのが一般的です。
今回の事案では、職員が私的に訪れた中国・上海で業務用スマートフォンを携行し、空港で紛失したとされています。私的渡航時に業務用端末を持ち出していた点は、政府内で広く採用されている「私的利用・私的渡航時の携行原則禁止」という方針と異なり、運用上の問題があった可能性を示しています。
また、中国は各国が情報収集リスクを指摘している国の一つであり、中央省庁のルール上も特に慎重な対応が求められる地域です。そのような場所で業務用端末を紛失したこと自体が、結果として情報漏洩の有無にかかわらず、安全保障上のリスクを発生させたと言えます。
さらに問題なのは、業務用スマートフォンに核セキュリティー担当部署の職員名や連絡先など、公表されていない情報が登録されていた点です。たとえ機密指定されていない情報であっても、原子力・核セキュリティー関連部署の人的情報は、標的型攻撃やなりすましなどに悪用されるリスクが高く、慎重に扱うべき情報です。
以上を踏まえると、今回の問題は個人の不注意で済ませて良い問題ではなく、業務用スマートフォンの持ち出しルール、海外利用時の管理体制、端末に保存する情報の範囲といった点が、現場レベルで十分に徹底されていたのかが問われる事案だと言えます。
中央省庁の業務用スマートフォンは、「なくしたら困る物」ではなく「なくした時点で国家的リスクになり得る物」です。今回の紛失事案は、その認識がどこまで組織内で共有されていたのかを改めて検証し、再発防止策を講じる必要性を浮き彫りにしたものだと考えられます。

























