小人さんの歌
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/04/22 23:37:35
公園のベンチに
私は春を見ながら座っていた
すると重力に逆らうように
ゆっくりヒラヒラと葉が舞い落ちてきた
葉先と柄を交互に揺らしながら
波に揺れる小舟のように
ちょうど目の高さくらいまで落ちてきたときに
目を疑った
そこには小人さんが乗っていたのだ
歌を歌っていた
白白赤赤、白白赤赤
目と目が合った
瞬間彼はニコッと笑い消えた
次の週に再び公園へ行く
するとベンチの後ろの両脇のハナミズキに
赤い花と白い花が咲いていた
次の日玄関で靴を履いていた時に
ドアの外で誰かが歌を歌っていた
白白紫、白白紫
ドアを開けると
声は止んだ
次の週に玄関の両脇に
すずらんと紫蘭が咲き始めていた
一か月後夢を見た
耳元でまた歌が聴こえた
男の子女の子、男の子女の子
はっとして飛び起きると
誰もいない
その1か月後私は子宝を授かったと
お医者さんに言われた
それもどうやら双子らしい
多分男の子と女の子とだろうと
確信をした
それ以来小人さんの歌声は聞こえてこない
今聞こえてくるのは
元気な男女二人の赤子の泣き声だけだ
たまにはこのようなお話系も良いのかな?




























お花が咲くのがしあわせを開かせる暗示みたい。