Nicotto Town ニコッとタウン

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その日が来て・・


看取りとして施設に戻ってからも、母に毎日会いに行き、3時間母の手を握っていた。

酸素吸入器は外せずにずっと付けたまま。

食べる量は極端に減って行き、それでも とにかく他人に迷惑をかけたくない母なので、介護士が『お薬だけでも飲んで』と言うと無理にでも口を開けて飲んで居たし
オムツの交換をするときは、片方のベッド柵に捕まって向きを固定する。
すごいですね~と、介護士や看護師さんたちから感心されたり感謝されたり。

声がでなくなるとジェスチャーで「有難う、有難う」と言うので、それにも
皆さん、ウルウルしていた。だから、他の介護士さんたちも時折やってきて
「顔を見に来たよ~」と声をかけたり、何かする事あったら言って。と
優しい接し方をしてくれていた。

ある日、
私が帰るときに「じゃあ、もう帰るね」と言ったら、首を振って
さかんに
イヤイヤイヤ・・・と。また、明日来るから・・・と言っても
イヤイヤ・・イヤイヤ・・
それで少し時間を延長して、眠ったようなので施設を後にした。

翌日は、全く反応せず

この1週間、水の一滴も飲めなくなっていた。


そして翌日
動かない・・声をかけてもピクリともしないのに・・
私が手を握ると、そこからスッと手が離れた。
あら?と思って、また手に触れると・・手が避けるように動く
それを何度か繰り返し・・
どうも私の手を避けているのは確かだ・・

「どうしたの?ご機嫌わるい?」と、握ったら
追い払うように手を払いのけた。

「じゃあ・・また来るね」と、私は1時間早く帰ることにした。なぜか
変な予感が・・

部屋を出るとき、ベッドにいる母を振り返った時、一抹の不安を感じたが・・
それを無理に振り払った。

施設の玄関でケアマネに「ちょっと気になるし・・イヤな予感もするので、あとで
見てやって下さい」と、言っておいた。

そして、帰宅して1時間ほどしたら施設から電話・・
「呼吸が止まっています」

アァ・・やっぱり!と思った。

自宅近くの道路は、なぜかタクシーを捕まえるのは大変な場所
一か八か・・で、そこへ走ったら、タクシーが来た!
それに乗って施設へ

ベテランの女性の介護士さんが泣きながら母の身体を綺麗にして
着替えさせていた。

「このままでも良いけど・・新しいのに着替えさせてあげたいから・・」と。

まだ暖かい。手を握り
「お母さん、私が居たら逝かれないから追いやったのね?ずっと前から、許可なく
 勝手に逝ったらダメだよって約束していたもんね?」

と言ったら、頷いているような気がした。

献身的な介護士さんとインドネシアの子も来てくれて、彼女は号泣
「〇〇さん・・優しい方・・まだ私いっぱい一緒に居たかった・・!」

小一時間ほどして医師が来て臨終宣言・・それが死亡時刻になるんですね。

最後の事を話すと、介護士や医師が異口同音に、

「それはね、貴方を連れて行っちゃいけないと思って、追いやったんですよ」
と言った。

それから2人にしてくれたので、何度も抱きしめて、もう一度
たくさんの懺悔と感謝・・そして、大好きだよ・・と何でも耳元で言いました。

その前から、ずっとそれは続けていたので、あの時こうすべきだった・・の悔いは
ない。

まだ母が動きで返事が出来る時に、生まれ変わったらまた私のお母ちゃんに
なってくれる?「うん」
我が儘娘、また育ててくれるの?「うん」と、確約もしているし!


だんだん手が冷たくなってきて、淋しくなった。

部屋の冷蔵庫に入っている氷の袋を取り出し・・
何やってるの?私・・・
洗面台にぶちまけて、氷を水でザーザー流した。
私の手が氷みたいになってしまった。

だから母に
「お母さん、私の手・・すごく冷たくなっちゃった・・」と
母の手を私の手の上に重ねた。

そしたら・・
冷たい筈の母の手から、いつもの暖かいぬくもりが私の手に伝わって来た。
え?
もしかして・・お母さん、息を吹き返した?!と思わず鼻の下に指を当てた。

でも、息はしていない。
でも、私は 母の手の柔らかい感触と、ぬくもりにしっかりと包み混まれていた。

アッという間に手はふんわりと温まっていた。

しばらくして、葬儀社が来た時
その話をしたら、ベテラン介護士さんが
「それはお母さんの最後の・・娘への愛情ですよ。最後のプレゼントをくれたんですね。」
と、言ってくれた。本当にそうなんだ・・最後まで甘ったれてる娘に
「全くもう・・あんたは・・・しょうがないわね・・」と、包み混んでくれたんだろうな・・

母を葬儀社の車が搬送していくのを施設のたくさんの介護士さんたちが
見送ってくれて・・
私は帰宅することに

外は暗い
バス待っていても来ない。いつも来る筈のタクシーも一台も通らない
しばらく暗い道路を歩いていて・・コンビニの前に来たから
タクシー会社に電話して呼んでもらった。
所が来ない。混んでるのか?

そしたら、一台の自転車が通り過ぎてすぐに戻って来た。
インドネシアの美人介護士さん

「どうしたんですか?暗い所で」
だからタクシーが来ない・・と言ったら、
「じゃ、私ここで一緒にいます。1人はダメ・・」と、傍らに
「お仕事終わって帰るんでしょう?大丈夫、疲れて居るでしょう?帰って
 早く休んで」

「ううん、大丈夫。ここにいます。」

彼女は、母の事に一言も触れない。お星さま綺麗です。あっちのバスたくさん
来ますね・・などと、普通の雑談をしながら私に寄り添ってくれた。
呼んだタクシーではない別のが来たので、それに乗るまで
彼女はずっと、私の心に寄り添ってくれていた。

良い人達を呼ぶ・・
母の人徳が、私にも余波?おこぼれ?
嬉しい・・
こんな時にも母の愛情を感じました。

#日記広場:人生

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2026/04/27 14:49
いい話ですね。
誰の迷惑をかけたくない、私の母もそうでしたがレミンさんのお母さんも…なんかじんと涙が来ますね。
皆から温かく見守れて…お母さんきっと幸せだったでしょう。なんかこううまく言えませんが…
空の向こうから優しく見守ってくれてますよ。

そうですね、お母さんの暖かな誰の迷惑もかけたくない、人徳のせいでしょう。
夜道タクシーを待つ心細さ、そこに現れた介護士さん、人種を問わずいい人に巡り合えてよかったですね。

うまく言えませんがともかくお母さんのご冥福を祈ります。
お母さん、死んでなんかいないよ、永遠に空の彼方からいつも一緒にレミンさんについているよ。



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