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難しく考えなくても良いと言えばそうだが悩ましい②

~前の日記からの続き~


空山のセクシーロボットシリーズは、誰が何といおうと「メトロポリス」なくして生まれてこなかった。それはもちろん空山自身が分っていることだし、別に悪いことでは全然ない。元ネタがありますなんて、そんなのあたりまえ。絵だって音楽だって、全部過去の何かのアレンジによる再生産の産物だ。数年前のビヨンセのステージ衣装が空山のパクリだとか一部で話題になったが、だから何だって話だろ。
そして彼の画には、セクシーロボットに限らず、大半が元ネタとなるモチーフがある。
件の展示会では、空山の製作スペースを再現したかのような(ほんとは違うけど)室内空間が展示されている。そこに無造作に置かれた無数のモノたちは、どれもが空山の作品の源泉になっている。

そしてこんな駄文を書いている私は、メトロポリスはもちろん、彼の画の元ネタも、なんちゃって再現スペースに置かれた無数のモノたちも一つ一つ、それら皆を知っている。だからその再現スペースに転がるものを見た時に「なるほどね」と思うことが出来る。

だからこそ、私はその元ネタを再解釈し、その時代においての意味づけをし、そして再生産された空山作品に対して、私はポジティブだ。でも問題は、空山作品が、展示の仕方の面白さなどで新機軸を打ち出したとしても、結局は自身の作品の堂々巡りの再生産しかしていない、ということだ。もちろん新規のモチーフがあり、新しい技術があり、そこに新規性はあるし、新しい解釈もあるのだろうけれど、それは本質ではないと思う。

別にそれが悪いと言っているのではない。何度も言うが、「その作品のカッコよさや美しさという、目に見える表層の表現そのものがすたれるものではない」のだから。

今回の展示会は、会場に着くなり異様な雰囲気だった。写真をここに貼れないことが残念だが、とにかく会場にいる来訪客の95%くらいが、普段から美術展などに足を運ぶとは到底思えない風体の、10代から20代くらいの若い人たちだった。本当に、こんな美術展は見たことがないという異様な風景だった。強いて言うなら、ちょっと意識高そうなミュージシャンのライブ会場みたいな客層だった、という感じ。

そしてじゃあ、「空山カッケー」と言っている彼らが、メトロポリスを始めとした元ネタや、なんちゃって再現スペースに置かれた無数のモノたちを知り、理解敷いているのか。いや、それは確実にないだろうと思う。別にそれが悪いと言っているわけではない。別に知らなくたって、全然かまわない。ただ、素朴に「空山カッケー」と言えるのは、「知らないから」であることを自覚しておく必要はあると思う。

「そんな小理屈はともかく、カッコイイなら良いんじゃね?」って、さっき言ってたじゃん、というブーメランを再び食らいそうだが、そうじゃない。そこに自覚的になれないと、堂々巡りの再生産を無邪気に評価し続けてしまい、「その次」が登場しなくなってしまう。


まあ。

別にこれに限らず、なんでもそんなもんで、1000人に1人か2人くらい無邪気に評価しない人がいれば、「その次」は出てくるから大丈夫だよ、って囁き声も聞こえるんだが。

要するに、老害の独り言ってことで。
すみません。


このような駄文を長々と最後まで読んでしまった方がいたら、謝罪いたします。
お時間を使わせてしまいました。。。

お疲れさまでした。

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