Nicotto Town ニコッとタウン

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森の外人墓地

そこには だれも知らない風が吹いてゐた
木漏れ日の斑(まだら)が 青い苔のうえに
失はれた古い国の言葉を ひとつひとつ
静かに書きつけては また消してゆく
見知らぬ名が刻まれた 白い石のならび
それらはみな 遠い海を渡ってきた記憶
いまはもう ねむむ(眠む)ことの寂しさもなく
梢のささやきを 子守唄に聞いてゐる
おまへは覚えているか あの五月の雲を
あんなに碧く、あんなに切なく流れてゐたのを
いま ぼくの指先が触れるのは 冷たい石の肌
けれど ここには確かなやさしさがある
森のひそやかな闇が すべてを包みこみ
旅人たちの長い一日の終わりを 讃えてゐる

#日記広場:小説/詩




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