森の外人墓地
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/17 12:11:14
そこには だれも知らない風が吹いてゐた
木漏れ日の斑(まだら)が 青い苔のうえに
失はれた古い国の言葉を ひとつひとつ
静かに書きつけては また消してゆく
木漏れ日の斑(まだら)が 青い苔のうえに
失はれた古い国の言葉を ひとつひとつ
静かに書きつけては また消してゆく
見知らぬ名が刻まれた 白い石のならび
それらはみな 遠い海を渡ってきた記憶
いまはもう ねむむ(眠む)ことの寂しさもなく
梢のささやきを 子守唄に聞いてゐる
それらはみな 遠い海を渡ってきた記憶
いまはもう ねむむ(眠む)ことの寂しさもなく
梢のささやきを 子守唄に聞いてゐる
おまへは覚えているか あの五月の雲を
あんなに碧く、あんなに切なく流れてゐたのを
いま ぼくの指先が触れるのは 冷たい石の肌
あんなに碧く、あんなに切なく流れてゐたのを
いま ぼくの指先が触れるのは 冷たい石の肌
けれど ここには確かなやさしさがある
森のひそやかな闇が すべてを包みこみ
旅人たちの長い一日の終わりを 讃えてゐる
森のひそやかな闇が すべてを包みこみ
旅人たちの長い一日の終わりを 讃えてゐる


























