Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



ストイックな旅人(ワンウェイ・トリップ)


夜の帳(とばり)がすべてを覆い尽くすとき
最後に残るのは 己の足音だけだ。
誰かと肩を並べて歩く夜があっても
その男の靴底にかかる重みを
代わりに背負ってやれる奴は、この世に誰もいない。
それが、この世界の冷徹なルールだ。
「独生独死、独去独来」
古い教えが、シガーの煙のように脳裏をかすめる。
人は独りで引き金を重く受け止め、
独りでその報いを支払い、
そして、誰の連れもなく次の戦場へと去っていく。
寂しさに背中を丸め、誰かの胸にすがりたくなる夜もある。
だが、他人に預けた命は、他人の気まぐれで容易に座礁する。
寄りかかるな。
馴れ合うな。
お前を救えるのは、お前のなかに眠る「覚悟」だけだ。
傷口を舐め合う仲間はいらない。
欲しいのは、お互いが独りで立っているという、無言の信頼。
硝煙の向こうで、ただ静かに頷き合える
孤高の魂だけでいい。
身自ら之を当け、代わる者あることなし。
この傷の痛みも、この胸の渇きも、すべて俺だけのものだ。
だからこそ、この人生は誰にも渡さない。
タフでなければ、この夜は生き抜けない。
優しくなければ、独りで生きる意味がない。
冷たい雨に打たれながら、コートの襟を立て
男はまた、暗闇の先へと一歩を踏み出す。
運命なんていう安っぽい言葉に、俺の舵(かじ)は取らせない。_

#日記広場:日記




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.