Nicotto Town ニコッとタウン

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窓辺のパステル


パステル画のやうな 淡い青空に
大きな夏雲が ひとつ浮かんでゐる
誰もない森の しづかなまひる
窓をひらけば 風がリボンを揺らす
水色のガラスのむこう ひそやかに
一羽の小鳥が 歌をうたひ
僕の失つた いくつかの言葉を
木々の梢へと はこんでゆく
おまへはあの雲の しろいひだのなかに
いまもかすかに 隠れてゐるのだらうか
桃色の服の すそを揺らしながら
けれど追憶(おもひで)は 陽炎にに似て
僕はただ 古い窓枠に手をかけ
あきらめ切つた 夏をみつめてゐる

――パステル画のやうな淡い空に、おまへの桃色の服がかすんでゐた。あきらめ切つた、あのまひるのなかに。

#日記広場:小説/詩




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