窓辺のパステル
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/25 16:12:41
パステル画のやうな 淡い青空に
大きな夏雲が ひとつ浮かんでゐる
誰もない森の しづかなまひる
窓をひらけば 風がリボンを揺らす
大きな夏雲が ひとつ浮かんでゐる
誰もない森の しづかなまひる
窓をひらけば 風がリボンを揺らす
水色のガラスのむこう ひそやかに
一羽の小鳥が 歌をうたひ
僕の失つた いくつかの言葉を
木々の梢へと はこんでゆく
一羽の小鳥が 歌をうたひ
僕の失つた いくつかの言葉を
木々の梢へと はこんでゆく
おまへはあの雲の しろいひだのなかに
いまもかすかに 隠れてゐるのだらうか
桃色の服の すそを揺らしながら
いまもかすかに 隠れてゐるのだらうか
桃色の服の すそを揺らしながら
けれど追憶(おもひで)は 陽炎にに似て
僕はただ 古い窓枠に手をかけ
あきらめ切つた 夏をみつめてゐる
僕はただ 古い窓枠に手をかけ
あきらめ切つた 夏をみつめてゐる
――パステル画のやうな淡い空に、おまへの桃色の服がかすんでゐた。あきらめ切つた、あのまひるのなかに。



























