雲海の麓 避暑地に寄せて
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/08/01 23:17:30
しかし、僕はまたかへつて來た
あたたかな雲の海原のその麓へ
風が過ぎゆく、草の青い匂いを連れて
失はれた日の幻を呼ぶために
あたたかな雲の海原のその麓へ
風が過ぎゆく、草の青い匂いを連れて
失はれた日の幻を呼ぶために
おまへは知つてゐるか むらさきの山並みを
遠い空の端(はし)に光るつめたい朝を
僕はひとりの美しい歌を歌へばよいのだ
過ぎ去りし季節の、なつかしい面影に
遠い空の端(はし)に光るつめたい朝を
僕はひとりの美しい歌を歌へばよいのだ
過ぎ去りし季節の、なつかしい面影に
白樺の影が、白妙(しろたへ)の道に落ちて
鳥の羽音は、高く、青空へ消えてゆく
――あふるる涙のやうに美しい景色よ
僕はここで、ただ静かに息をしてゐよう
鳥の羽音は、高く、青空へ消えてゆく
――あふるる涙のやうに美しい景色よ
僕はここで、ただ静かに息をしてゐよう


























