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月明かり、心の旅路(微光と静寂)


月明かりは 足元の乾いた砂を白く染め
踏みしめるたびに かすかな哀しみの音を立てる
あの日 あれほど優しく口ずさんでいたはずの
小さな歌のひとふしを わたしはもう忘れてしまった
草むらの奥に ひとつ、ふたつとまたたくのは
はかない蛍の光――それは消えゆく記憶の火影か
思い出そうとすればするほど その旋律は遠ざかり
明滅をくり返しながら 闇の底へとしずんでゆく
旅人よ もう行くべき道などどこにもない
蛍の光もいつしか絶え 風のそよぎさえも止まり
ただ 熱を失った砂の冷たさだけが 満ちてくる
わたしはただ 途方に暮れて立ち尽くす
あのなつかしい歌は 二度と戻らないのだろう
月光が この世界の息づかいを 完全に消し去るまで_

#日記広場:小説/詩




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