9月9日は「重陽の節句」②
- カテゴリ:日記
- 2026/08/05 21:22:32
・「秋茄子」の言い伝えとことわざ
重陽の節句に秋茄子を食べるようになった由来は、「くんち(9日)に茄子を食べると中風(ちゅうぶ)にならない」という言い伝えから来たものだ。中風とは脳卒中などにより半身不随になることを指すが、その主な原因である生活習慣病の予防を意味したのだろう。
秋茄子は不老長寿を願って季節の節目に食べられた秋を代表する食材だが、そもそも茄子の旬は7~9月の夏である。そのため9月の終わりから10月にかけて収穫された茄子は「秋茄子」と呼ばれ、夏茄子とは別物とされていた。
旧暦の重陽の節句は、現在の10月初旬頃だったため秋茄子を重陽の節句に食べるというのは理にかなっているが、現在の重陽の節句は9月9日のため、秋茄子というよりは夏茄子になるだろう。
ちなみに秋茄子は、夏茄子よりも旨味が凝縮し美味とされる。言い伝えやおいしさを知ると、「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざの真意を考えるのが少し怖い気もする。
*もっと知りたい!五節句のこと
五節句は中国から伝わった後、江戸時代に5つの式日(しきじつ/儀式を行う日)として制定され、庶民にも広く親しまれる行事となった。重陽の節句以外について、簡単に紹介しよう。
・1月7日 人日(じんじつ)の節句・七草の節句
節句一つとしての認識よりも、新しい年の始まりに1年の健康を願い、七草粥を食べる日として記憶している人も多いだろう。春に芽吹いた新鮮な七草のよい気をもらって無病息災を祈る、現代にも伝わる伝統的な正月の風習だ。
・3月3日 上巳(じょうみ)の節句・桃の節句
女の子の健やかな成長や幸福、無病息災を願う行事。雛人形や旬である桃の花を飾り、ちらし寿司や菱餅などを食べて祝う日である。江戸時代以降は「ひな祭り」として親しまれ、今も受け継がれている。
・5月5日 端午の節句・菖蒲(しょうぶ)の節句
男の子の健やかな成長や幸福、無病息災を願う行事。鎧兜や虎の人形を飾り、鯉のぼりをあげて菖蒲の花を添えた柏餅をいただく。男の子がたくましく育つように願う馴染みの深い風習であり、こどもの日として国民の祝日にもなっている。葉の形が剣に見えることから菖蒲の花が添えられる。
・7月7日 七夕の節句・笹竹の節句
織姫と彦星が年に一度出会う伝説が思い浮かぶ、これもまた馴染み深い夏の行事だ。人日の節句と同様に、節句の一つという認識よりも、短冊に願い事を書いて笹竹に飾る夏の催しとして捉えている人が多いように感じる。もとは豊作を願う祭りであったが、縫製や染織の技術向上を願う行事も同時に行われるようになった。
どれも四季の移ろいを感じられる節句で、それぞれ旬の植物を用いて健康に過ごせるようにと願ったのが始まりといわれている五節句。重陽の節句以外の五節句が衰退しなかったのは、その風習や催しそのものが生活に根づき定番化した結果ではないだろうか。
・重陽の節句に願う無病息災・不老長寿
古代中国より持ち込まれ、平安時代から今日に至るまで日本人に親しまれている五節句。古い歴史をもつ五節句の制度は明治6(1873)年に廃止されはしたが、それぞれ形を変えながら現在も私たちの生活に溶け込んでいる。
そんな中、重陽の節句だけは時の流れとともに影の薄い存在となってしまったことは、意味や由来を知ると余計に残念でならない。無病息災や不老長寿を願う重陽の節句の意味を、今一度捉え直してみてはいかがだろうか。

























